そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

3月19日(土)論文を送る

2016年03月19日 | 公開

 まだ論文の抜刷は届いていないのだが、執筆者として雑誌を数冊いただいたので、まずもってKOはS文庫のK教授のところへお送りした。今しがたポストに投函。といっても、お住まいは同じ市内の別の区だから、すぐに届くことであろう。明治の有名な芸能活動家のご子孫であらせられる。

 今回の論文は、昨年発表されたK教授の論文に直結するもので、そのフォローアップは5月のなかつよ文学会大会で口頭発表することになった。そんなことをこまごま書いたが、K教授はこの3月で定年退職されるよし、あまり学会に顔を出さない御方であるが、残念なことだと思う。

 ウチのUちゃんの研究分野の先達。そういえばUちゃん、今月も、来月も研究発表することになっているけれども、彼も3月で籍を抜くのに、4月の発表はもとのままの所属になっている。申し込み時の所属ならいいが、昨今、経歴詐称とかうるさいので、注意が必要かもよ。あやまちすな、あやまちすな。

 K教授の話に戻れば、私とは因縁というか、奇縁がある。藤原清輔(Uちゃんの研究対象ですな)著の歌学書、従来は下巻の末尾が欠落したものしか知られていなかったのを、K教授が近衛文庫で末尾の相当部分を有する写本を見つけ、私が同文庫で、その最末尾および奥書部分が江戸時代に剥離、まったく別の表紙を付けられて伝存していることを発見、合わせて下巻の完本が復元され、岩波書店刊行の著名叢書に用いられたという、栄光?の文献学的業績があるのであ~る。今回の研究成果も、K教授の詳細な書誌的報告に、私の発見資料をからめれば、鎌倉時代文学史のターニングポイントにおける、キーパーソンの意識が分かる…ということなのである。文学の研究者としてはワクワク、ドキドキなんだが、興味の無い方にとっては、何のこっちゃ?だろうね。

 まあ、世の中の役には、たたないことだわなあ。