午前中にE研究科の修士論文口述試験が1件。私しゃ副査なのだ。30分刻みのスケジュールで、延長しないように質問をし、所感を述べておく。評価の仕方は研究科ごとに趣が異なるので、主査殿にお任せした。自分のところはもっと辛い点をつけるかなあ。しかしまあ、修士論文としては水準以上のものであった。
13:00からの社会人向け講座までは時間に余裕があったので、地下鉄を乗り継いで築地まで行き、「築地布恒更科」でりんだもぢることにする。戸を開けると私が一番客。フロアの若い衆に、お久しぶりですと言われた。ううう、終に顔を覚えられたか。まあ、りんだもぢり用のマイ箸を持参する変な客だからなあ。牡蠣天そばを注文。伊予柑切りに心惹かれたが、食べ過ぎを懸念してぐっと我慢した。
地下鉄でひと駅なので、「築地布恒更科」の前の通りをずうっと北へと歩いた。途中、古い建物もちらほら。空襲を受けなかったところがあるらしい。りっぱな看板建築は、鶏肉鶏卵屋さんだとか。
ふむふむ、ここが新富座の跡か。道すがら、左右を見回せば面白や。青森の特産品店や、九州産の焼酎を実にたくさん扱っているお店などがあった。鍛冶橋通りを右折して到着。
社会人講座は本学期最終回。2月は超多忙なので、1月のみの4回にしてもらった。先週、西行法師の話をしたので、今日は鴨長明を取り上げ、講座全体の締めくくりをして、オマケに短冊の書き方をレクチャーした。
講義終了後、一部受講生の方から短冊屋へ連れて行って欲しいとのリクエストがあって、地下鉄に乗り「文行堂」へご案内する。番台?には幼稚園児のSちゃんが出て、切り紙遊びをしておいでだった。キツネのお顔があったので、これはいくらですか?と聞くと、20円!とのお答え。かわいいねえ。消費税は?と重ねて聞けば、いりません…ですと。番台?の左手にはSちゃんがお書きになった絵短冊?が飾ってある。これは傑作だが、非売品だろう。もし「文行堂」へおいでの節は、忘れずぜひ拝見されたし。うち笑まるる…とはこのことである。
お騒がせ料に1枚と物色し、千家尊福をもらう。「雪中早梅 雪のうちににほへる梅の色みれは/しをれぬ松も色なかりけり 尊福」。まあまあ、時節がら悪くはないでしょう。
お茶に誘われたが、結局「蓮玉庵」へ入り、せいろを1枚りんだもぢった。ご馳走になりました。
上野駅構内でワインなどを購入、近所の八百屋ではにんにくの芽や苺を買った。苺は「JBBステビア農法」による紅つやか」という品種だとか。これが滅法界に美味いので、昨日も今日も1パックもとめてしまった。旭市産とあり、本日の鴨長明の講義では、銚子のことを話題にした(長明には現在の銚子市~旭市辺の風景を詠んだ歌があるのだ)ので、いささか因縁を感じた次第。帰宅後、尊福短冊をダイニングに掛け、にんにくの芽炒めを作った。