岡山のKさんから牡蠣をどっさり送っていただいた。殻付きと剝き身とが詰め合わせてある。私は腱鞘炎で処理ができないため、姑に殻を開けてもらい、さっそく生で頂戴する。いくつかは焼き牡蠣にしてみたら、こちらも絶妙のお味であった。
牡蠣といえばワシントン州だが、『あの日、パナマホテルで』はすっかり気に入ってしまった。舞台となっている街のニュアンスが分かるということは、こんなになつかしく感じられるものかと思う。NYもしばらくは歩き回ったけれども、やはり2ヶ月あまり暮らしていささかの土地勘を得たシアトルは格別である。
…バッドはその古いレコードを使い古しの宇和島屋スーパーの袋にすべり込ませ、差し出した。…(p64)
パイオニアスクエアからインターナショナルディストリクトにかけて、目をつむると通りと街並みが手にとるように浮かんでくる。宇和島屋へは定期的に食料品の買い出しに出かけたし、散髪してもらいに行った理美容院も小説の舞台のあたりだろう。パナマホテルも何度か覗いてみた。
修士論文をとにかく早く読み終わらないといけないが、ついつい小説に行ってしまう。今日は食べ過ぎた。舌先が痛くなってきた。