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史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

「下野の戊辰戦争」 大嶽浩良著 下野新聞社

2011年12月07日 | 書評
本書の巻末近いところに掲載されている「下野戊辰戦争の特徴」に以下のように記載されている。
――― 従来、下野の戦争は研究者によってほとんど無視され、上野戦争から東北戦争へと説明されてきた。その傾向は今でも変わらないが、この点を大町雅美氏(昭和四十三年『戊辰戦争』(雄山閣)著者)は鋭く批判し、「宇都宮城をめぐる攻防戦は、以後の指導権をめぐる焦点となり(中略)、戊辰戦争の核心はこの宇都宮城をめぐって、ひいては下野全域の攻防戦によって位置づけられる」(『戊辰戦争』)とした。下野の攻防を、以後の指導権をめぐる戊辰戦争の核心と評価したのである。

確かに下野における攻防戦はもっと注目されてよい。特に宇都宮城をめぐる戦闘は、旧幕府軍と新政府軍ががっぷり四つに組んだ激戦であった。この戦闘を機に、白河緒戦での勝利を別にすれば、ほぼ旧幕府軍は負け続けることになった。
栃木県下には、小山、宇都宮、壬生、大田原、那須など、各地に戊辰戦争の傷跡が残る。戊辰戦争遺跡のガイドブックとしても、本書は有用である。栃木県下の戊辰戦争史跡は、それなりに回ってきたと自負していたが、この本でまだまだ足を運んでいない史跡があることを思い知った。しばらく栃木の史跡詣でを続けたい。

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