史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

阿寒

2015年12月04日 | 北海道
(阿寒湖)
 特別天然記念物まりもで有名な阿寒湖は、釧路市の一部である。この日は天気もよく、湖面の青も一際美しかった。
 時間が許せばしばらく湖畔でぼんやりしたいところだが、私にはまだ回らなければならない史跡が山ほどあったので、先を急いだ。


阿寒湖

(前田公園)


前田正名翁像

 阿寒湖周辺が国立公園として認定され、道東を代表する観光地として知られるに至った背景には、前田正名の存在を忘れるわけにいかない。
 前田正名の胸像を探して街の中を走ったが、なかなか発見できない。交番で聞いてみようと自動車を停めると、ちょうどそこにお巡りさんが現れた。前田正名の像を探していることを伝えると
「そこです」
と、教えてくれた。ちょうど交番の目の前に前田公園があり、その中心に前田正名像がある。

(前田一歩園)
 前田一歩園は、阿寒湖を愛した前田正名が晩年開いた牧場が起源である。
 前田正名は、明治二年(1869)にフランスに留学し、八年後に帰国。その後は、大蔵、内務、農商務省の要職を歴任し、全国の実業界の振興にも貢献した。前田正名の座右の銘「物ごと万事に一歩が大切」から、自ら手掛けた事業を一歩園と名付けた。阿寒前田一歩園もその一つで、明治三十九年(1906)、国有未開地の払下げを受けて牧場を開いた。阿寒の地に立った正名は湖畔の景観に深い感銘を受け、「この山は、伐る山から観る山にすべきである」と語ったと伝えられる。


前田一歩園財団


松浦武四郎碑

 蝦夷地を複数にわたって全道を隈なく歩き、北海道の名付け親となった松浦武四郎の漢詩碑が一歩園の前の遊歩道にある。

水面風収夕照間 小舟欅棹沿崖還
忽落銀峯千仭影 是吾昨日所攀山

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