夢発電所

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オランダという子供の幸福度世界一?

2012-11-15 07:12:59 | つれづれなるままに
11月17日(土)

 NHKラジオ深夜便で印象に残った話。
 「異文化から学んだ私の人生」教育社会研究家 リヒテルズ直子さん

 オランダ人のご主人とNGO活動で知り合い、結婚後世界中をかけめぐっている直子さん。その中で国境があまり意味が無いということを感じたと語っていた。アフリカのケニヤやボリビアなど農業指導を通じて、それぞれの国の特徴が違うことを知っていく。
 共通するのは「戦争」という国境や宗教を巡る争いが、国民を貧しくさせ不幸に巻き込んでいくこと。
 近年家族で夫の国オランダへ帰国し、子供たちがようやく落ち着いた生活に戻ったことが有り難いと語った。そしてオランダの学校教育の素晴らしさをも改めて知ったという。オランダではかつて60年代に35基の原発建設計画を阻止したオランダ。競争・成長から共生・インクルージョンに向けて「脱産業化」社会の論理で組み立て直したオランダ社会の制度があった。
子供たちは英語しか話せないが、それぞれの言語や教育進度の状態像にあった教育が個別支援として保証されているので心配はいらないという。

 オランダの教育が多様な点と学区制がないため幅広く学校が選べる、という点です。リヒテルズ直子さんは「オランダの学校が100あれば、100のちがう教育をやっている」と。

 たとえば、異なる年齢の子どもたちを一つのグループにして指導する学校、イスラム文化を中心にしている学校、近代的な建物で学ぶ学校などです。それぞれの学校が特徴を持ち、親や子どもに宣伝しているそうです。私立学校は、その親や子どもとあわない場合などは、入学を断ることもでき、入学後も「私にあわないな」と思えば、転校やちがう学年に移ることもよくある。
 
 ◎教育の自由

 オランダの義務教育年齢は5歳から18歳まで。最後の2年間が部分的義務教育となっています。また「オランダの全土に存在する小中学校のうち、公立学校が3割前後。残り7割前後の子どもたちが、教育について何らかの主義や立場を明らかにした私立学校に通っている」そうで、私立、公立を問わず、ほとんど教育費がかかりません。

 ◎市民団体も学校がつくれる

「オランダでは、約200人の子どもが集まることを証明できれば、市民団体でも政府から援助を受けて学校を設立できる」と、朝倉さん、リヒテルズさんは話してくれました。そうしたこぢんまりした学校をふくめ、スーパーへ行くくらいの近所に3~4校もあると言うのだから、考えて選ばざるを得ないようです。もし遠くの学校を選んでも、交通費は援助されるので、金銭面で距離は関係ないようです。

◎不登校は?

オランダの不登校事情を朝倉さんにお聞きしたところ「オランダには日本の不登校にあたることはないし、日本ほど登校へのプレッシャーは強くない」と言われました。たとえば「しょっちゅう学校をさぼる」とか「今度、家族でアフリカに行くから学校を3週間休みます」なんてこともけっこうあるそうです。オランダでは、高校も大学も本人が希望すれば、落とされることもありません。朝倉さんは「学校がきらいな人も、なんとか学校を卒業しているのではないか」と話してくれました。

 ◎ちがいの理由

最後に何がオランダと日本の差異を生んでいるのか? と質問したところ「オランダの教育史をみて、つくづく思わされるのは、彼ら自身が、国の制度は彼ら自身がつくっていくものだ、という意識を持っていることです。そういう意識が教育の中身を変えている」と語っている。

(不登校の専門誌 FORLE・山本侑佳里より抜粋)

 最新刊「祖国よ、安心と幸せの国になれ」リヒテルズ直子(ほんの木出版)

 オランダの教育が世界一かどうかはまだ分からないが、今後の日本の進むべき一つの方向性として学んでみるのも、一考かもしれない。