夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

poem「耳はなんのため」

2010-07-15 11:35:46 | 創作(etude)
 左右の耳は
 なんのために
 あるのだろうか
 はじめから 
 ふさぐために
 あるのではない
 耳をすますために

 左右の耳は
 外に開かれている
 暗闇の中や
 見えない方角で
 自身を守るため
 愛するものを守るため
 大切なアンテナとして

 安全が危険に変わるとき
 何で自分を守られるのか
 音だろう
 視界だろう
 嗅覚だろう
 触覚だろう
 味覚だろう

 私たち現代日本人は
 あまりにも無防備な環境で
 危険察知能力を
 日ごと退化させてきた
 ゴルゴサーティンのような
 野生の危機感を
 今こそ再装備しなければならない

 攻撃よりも
 防備である
 防備は
 構えである
 構えは
 敵との距離である
 敵は不意である

 耳は
 とぎすますのだ
 目は
 闇に慣らすのだ
 触覚は先端をみがき
 嗅覚は
 空気を読むのだ
 味覚は
 命を内側から
 守るために