TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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「カール・ロジャース入門-自分が自分になるということ」を読む

2010-08-01 08:34:53 | 今週の一冊
 諸富祥彦著の「カール・ロジャース入門」を読みました。



 この本は、来談者中心療法の創設者であり、カウンセリングの神様といわれる(いわれた?)カール・ロジャースの生涯とその思想形成の歩み、そしてその理論について解説したものです。

 今、私は、産業カウンセラー協会上信越支部主催の「傾聴訓練と来談者中心療法」の講座に参加しているのですが、その中で、カール・ロジャースの論文を読むことが講座に中心になっていまして、この本を参考に読んで見ました。

 講座で読んでいる論文は、ロジャースの数ある論文の中で最も有名な「治療的人格変化の必要十分条件(The necessary And sufficient of Therapeautic personality)」です。この論文の訳がよくわからず、本を読んでみたのです。

 この本を読んで腑に落ちたのは、やっぱり、カール・ロジャースという人のカウンセリングは、そしてその生涯は、キリスト教という西洋思想が大きなバックボーンになっているということです。

 牧師になることをやめ、カウンセラーになったカール・ロジャースには、宗教の話は禁句だったということですが、講座で読んでいる論文に記載されている「自己一致」「受容」「共感的理解」はキリスト教の匂いを私は感じていました。

 晩年、カール・ロジャースはスピリチュアルの世界に傾倒していったとおうことですが、もともとの本家回帰したのではないかということではないでしょうか。

 とはいっても、私にとって、思想的背景がどうであろうが、カウンセリングとは、クライエントが再び自己成長していく力を取り戻す支援をすればよいのであろうと思います。

 どの理論がよいとか、どの技法を使えばよいというは議論などしていることは実践にとっては無駄なことということなのでしょうか。