あび卯月☆ぶろぐ

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民主党の「子ども手当て」は損か得か

2009-07-05 00:54:04 | 政治・経済
民主党が提案する「子ども手当」は悪くないと思っていた。
「子ども手当て」は中学校修了までの子どもを対象に、一人当たり月額二万六千円を支給するもので、政府がこのまえやった定額給付金以上のバラまきだが、こういう不景気の時にバラまきをやることは悪いことじゃない。
ただ、財源が気になった。
年額にして子ども一人あたり三十一万二千円もの資金をどう確保するのか。

そんなことを考えていたら、
「子ども手当導入は、現在の「配偶者控除」と「扶養控除」を廃止することが前提だ。控除を廃止して、子ども手当に振り替える」(産経新聞)
との報道があって、ようやく謎が解けた。
(本当はずっと以前から明らかにされているが、私は知らなかった)

配偶者控除と扶養控除を廃止するなんてちょっとした税制改革と言ってもいい。
なーんだ、中学生以下の子供を持たない家庭は大損じゃないか。
特に年金で生活している夫婦の家庭や中学生以上の子供を抱える家庭にとっては痛い増税となる。
変化がないのは一人暮らしの人くらいだろう。

いま、配偶者控除は三十八万円。(七十歳以上の配偶者なら四十八万円)
そして、扶養控除は基本が三十八万円で、満16歳以上満23歳未満の扶養家族なら六十三万、七十歳以上なら五十八万(同居していない場合は四十八万)となっている。

これだと解りにくいので、年間所得に応じて皆さんがどれほど損をするか表(?)にしてみた。


・年間所得が1,000円~ 1,949,000円の人

配偶者・・・年間一万九千円の増税
(七十歳以上の配偶者なら二万四千円)
一般の扶養家族一人あたり・・・年間一万九千円
16歳以上満23歳未満の扶養家族一人あたり・・・三万一千五百円の増税
七十歳以上の扶養家族一人あたり・・・二万九千円の増税。


・年間所得が1,950,000円~ 3,299,000円の人

配偶者・・・年間三万八千円の増税
(七十歳以上の配偶者なら四万八千円)
一般の扶養家族一人あたり・・・年間三万八千円の増税
16歳以上満23歳未満の扶養家族一人あたり・・・六万三千円の増税
七十歳以上の扶養家族一人あたり・・・五万八千円の増税。


・年間所得3,300,000円~ 6,949,000円の人

配偶者・・・年間七万六千円の増税
(七十歳以上の配偶者なら九万六千円)
扶養家族一人あたり・・・年間七万六千円の増税
16歳以上満23歳未満の扶養家族一人あたり・・・十二万六千円の増税
七十歳以上の扶養家族一人あたり・・・十一万六千円の増税。


・年間所得が6,950,000円~ 8,999,000円の人

配偶者・・・年間八万七千四百円の増税
(七十歳以上の配偶者なら十一万四百円)
扶養家族一人あたり・・・年間八万七千四百円の増税
16歳以上満23歳未満の扶養家族一人あたり・・・十四万四千九百円の増税
七十歳以上の扶養家族一人あたり・・・十三万三千四百千円の増税。


・年間所得9,000,000円~ 17,999,000円の人

配偶者・・・年間十二万五千四百円の増税
(七十歳以上の配偶者なら十五万八千四百円)
扶養家族一人あたり・・・年間十二万五千四百円の増税
16歳以上満23歳未満の扶養家族一人あたり・・・二十万七千九百円の増税
七十歳以上の扶養家族一人あたり・・・十九万一千四百円。


そして、年間所得が一千八百万以上の人は・・・って、もういいや。
気になる方は以下の国税庁のサイトで自分で計算してみてください。
(控除額から自分の所得に応じて課税される税額のパーセンテージを掛けると実質の増税額がわかる)
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2007/a/index.htm

なお、所得は収入とは異なるので注意が必要。
サラリーマンの場合は源泉徴収表の「支払金額」の右の欄に書かれている「給与所得控除後の金額」が年間所得額に該当する。
また、上記の表は現行の所得税の確定申告方法に倣って国税庁のサイトを参考に私が勝手に作成したものなので、間違っていたら指摘してください。


勿論、中学生以下の扶養家族がいる家庭は月額二万六千円支給されるのでプラスマイナスして損になるか得になるか計算する必要があるが、にしても子供って普通中学を過ぎた頃から金が掛かりだす。
一律中学生以下の子供がある家庭に「子ども手当て」支給というのも如何なものだろう。

最近、多忙につきテレビニュースも新聞もあまり観ていないのだけど、党の政策ではなく政局ばかり伝えるマスコミもどうなのか。
念のために書いておくと、じゃあ自民党なら増税はないのかというとそれも怪しい。
この記事も「これだから民主党は駄目なんですよ」と言いたいわけではなくて、一見良さそうにみえる政策も内容を吟味せずに飛びつくと痛い目をみることになるということだ。
もちろん、その反対もある。
そのあたりをきちんと説明なり解説するのがマスコミの役割だと思うのだけれど、やっていることは「麻生おろし」がどうとかこうとか。
ワイドショーレヴェルに堕したニュースショーはもういらない。