あび卯月☆ぶろぐ

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高校における歴史教育

2006-10-25 23:56:13 | 社会・世相
<単位不足>10県65校、生徒数は1万2000人に

 富山県立高岡南高校で発覚した履修単位不足問題で、新たに青森、岩手、山形、福島、石川、福井、愛媛、広島、栃木の各県の公私立高校でも必修科目を履修せず同様の単位不足になっていることが分かった。単位不足はこれで10県65校、生徒数は約1万2000人に上った。中には、履修を装った報告書を教育委員会に提出する「架空履修」もあった。各県教委や学校は単位不足の3年生が卒業できなくなるおそれもあるとして、3年生への補習授業を検討するなど対応に追われ、文部科学省も全国調査を行う。(中略)
 単位不足の生徒がいる学校は、冬休みなどを利用して補習授業を行い、足りない時数を補うとみられる。
 文科省教育課程課は「必履修教科・科目が履修されていると思っていた。ありえない話だ。学習指導要領を守らなければ、理科でも同様の問題が起きる可能性もある」と話している。
 こうした事態について、大手予備校の関係者は「週5日制になり授業時間数が減る中で、何とか大学受験の水準に合わせて、効率的な授業の進め方を各学校で行っている。高校での土曜日の午前中の授業がなくなった影響は大きい」と指摘。「現場の立場に立てば『苦肉の策』だったのだろう。現行の教育課程の内容と受験の現状との食い違いから生まれた問題」と分析している。
(毎日新聞) - 10月25日22時50分更新



こういうニュースが飛び込んできました。
はじめは酷い話だと感じていたのですが、Senshuさんのブログで、

これの何が問題なのだ?っつーかそれって普通じゃないの?僕も地理と世界史なんて履修してないんだけど。世界史なんて教科書配られただけで大してやってないし。

という一文を拝見して驚きました。
どうやらこれは氷山の一角のようですね。
今後も多くの学校で履修単位不足が発覚するでしょう。
それにしても歴史教育について改めて考えさせられました。
高校の歴史教育など所詮、受験の為の教育であり、
よく云われる「歴史に学ぶ」とか「過去との対話」などという崇高な理念はおよそ無視されているのが現状です。
仮に、理念があっても日本の歴史教科書は質が悪いですし、
教科書の質が良くなっても教師の質が悪いとどうしようもありません。
逆に云うと教科書がいくら悪くても教師の質が良ければ申し分ないでしょう。
教科書を良くする前に教師を良くする方が先決だと思います。

さて、私は自国の歴史である日本史を必須科目にすべきだと思っていますが、
先に述べたように日本史を必須にしたところで受験用の歴史しか学べないと思うので
あまり力強く日本史の必修化を叫ぶ気持ちにはなれません。
今の現状からいうと生徒は歴史を学びたいのではなくて
受験に必要な知識を知りたいのだろうと思います。
歴史好きな先生が歴史について熱く語っても
生徒は「そんなことより、テストで重要なポイントはどこですか?」
と訊いてくるのが実情ではないでしょうか。
といっても、社会の構造として大学受験を蔑ろにするわけにはゆきませんし、
どうしても受験の知識は必要になってきます。
受験の為の勉強だけでよいのかというテーマは
歴史の教師に限らず、高校教師に託された大きな課題とも云えます。
特に熱心な先生ほど理想と現実の間に悩むそうです。
ただ、そういう先生は一握りで、大部分の先生のホンネは「受験の為の知識だけ与えればよい」というものでしょう。
つまり殆どの場合において教師と生徒の利害は一致しているといえます。
今回の事件はその教師のホンネを象徴的に表しています。
世界史は受験に必要ないから教えなくて良いという判断です。
実に合理的ですね。
結局、本当に歴史を学びたいのなら大学で学んだり、自分で勉強するのが一番のようです。
しかし、綺麗事を云うようですが、高校での学習は受験の為だけではありません。
月並みですが、やはり歴史教育は高校でなされるべきだという結論を出しておきます。

というのも、日本人ほど自国の歴史を知らない国民は居ないということを
心から痛感させられることが多いからです。
よく、外国に留学したり研修に行った人が現地の人から日本の歴史や文化について尋ねられてちっとも答えられなかったという話を聞きます。
オーストラリアにホームステイした私の同級生もそういう話をしていました。
そういえば、日本赤軍の重信房子もパレスチナ人から日本について色々訊かれ、
何も答えられなかったそうです。自信の手記にも
「私はアジア人、日本人なのだということを逆に知らされると同時に、日本アジアについてまったくしらないことに気づかされました」
という言葉を残しています。
日本のことについてなにも知らないのに反日武装戦線を繰り広げていたのですから、なんとも笑えない話ですが、
考えようによっては日本を知らなかったからこそ過激な共産主義思想に染まってしまったのかもしれません。

話を元に戻します。

日本人は自国の歴史を知らないという話でしたが、
仮に自国の歴史を知っていても世界史を知らない。
例えば、大東亜戦争を例にとってみても当時の世界情勢を理解しなければ客観的に判断でるはずがないのです。
世界史を知らないから「日本は明治以降一貫して侵掠国家だった」などとムチャクチャな歴史認識がまかり通るのです。

と偉そうなことを書いていますが、私も歴史を詳しく知っているかというと自信がありません。
日本史は小学生の頃から好きだったのですが、高校の頃、世界史が大嫌いでした。
私はどうもカタカナが覚えられませんでした。
ナントカ朝とかが沢山あってもうなにがなんだか。
第一、あの教科書を読んでも歴史の流れがさっぱりわからない。
わざとわかりにくく書いているのかと疑いたくなるほどです。
単に私の頭が悪いだけかもしれませんが、教科書はわかりにくいというのが実感です。
それゆえ、今、必死になって(というのは嘘ですが)世界史を勉強しています。
これは歴史に限りませんが自分で勉強したほうが頭に入りますし、
学校の教科書で学ぶよりもずっと理解できます。

また話がそれました。

タイトルは「高校における歴史教育」でしたね。
結論をいうと高校にはあまり期待できないけれど、歴史はきちんと教えるべきというところでしょうか。
例えば、英語教育にしても日本人の英語力を鑑みれば問題点が無いと云えません。
かといって、英語も歴史も教えなくて良いかというと別問題です。
少なくとも総合的な学習の時間などという無意味どころか害悪しかもたらさない科目をやる時間があるのなら歴史を学ばせて欲しいと思います。