このごろ、時間があれば本を読み歩き回りたいので、楽器を手にすることも、歌を歌うことさえ、すっかり縁遠くなっていた。コロナ禍でボランティアでお年寄りの会に行くことも無くなったし、モチベーションが下がったということもある。
昨日、久しぶりにマンドリンを手にしてみた。なんと、ほぼ2か月ぶりだった。弦楽器は長期間放置しておくと次第にテンションが上がってしまい、しまいには弦が切れたり竿が曲がってしまったりすることがあるが、ぼくのはかなりしっかりした良い楽器であるためか、2か月ぐらいではまだ長期間放置とまではいかないものか(、それとも冬の間の乾燥で木が縮んだか)、幸いテンションは少し下がったぐらいだった。
鳴らしてみると、暖かい良い音がした。
ぼくのはフラットマンドリンという、アメリカで発達した楽器で、イタリアの胴の丸い普通のマンドリンに比べると地中海の繊細な抒情性はやや弱いかもしれないし、ロシアのドムラに比べると北国の澄んだ哀愁はやや弱いかもしれないのだが、そのかわり明るく開放的な伸びやかなプレーリーの音がする。
指はだいぶ動かなくなっている。というより、これはパソコンのキーボードでも同じだが、指が勝手に正しくない場所に行く。♯や♭で意識して指を動かさないと、隣の位置に行きがちになる。でもまあこれはサボリっぱなしでいたのだから仕方がない。
声を出してみたら、これも結構出た。結構出た、といっても、とても人前で歌うレベルじゃないが、自分だけで歌の気分に浸るには差し支えはない。
昨日歌ってみたのはフォークソング系の「イカ採りの唄」、「芭蕉布」、「バラが咲いた」、「時代」、「希望」、山の歌で「遥かな友に」、「いつかある日」、それに懐かしいロシアの歌「私の焚火」。どれも比較的テンポのゆっくりとした、弾きやすい歌いやすい曲だ。
ここのところの、どちらかといえば鬱々とした気分が晴れた。毎日1時間でも、あるいは30分でも歌えばよいのだろうが、保土谷の林の中のように一人暮らしではないし、周囲に全く気兼ねがなく、というわけにもいかないし、また、このごろ主な関心事がそこにはないので、なかなかそうはいかない。
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