すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

一月

2021-01-29 20:18:12 | 詩集「黎明」

終日 平原は吹雪の乱舞に覆い尽くされた
平原には果てがなかった 果てのない平原を呑みこんで
風は白い大地を空へ投げ返した
生命あるものは何もなかった ただ大樹が一本
全身を引き絞って踏みとどまっていた
樹は平原のまんなかに立っていた いや
樹があるからこそ そこが平原のまんなかだった だから
吹雪が止むと静寂は枝々の先から四方にひろがっていった
          (連作「はるにれ」のうち 一月)

 

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