すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

目をつむると・・・

2018-09-26 22:25:31 | 自分を考える
 眠ろうと思って目をつむると、あるいは、読んでいる本から、弾いている楽器から、ちょっとポーズを取ろうと思って目をつむると、いつも、暗い砂浜が浮かぶ。砂浜には人一人いず、左右はどこまで続いているのか、暗い中に沈んで消えているので見えない。海にはあまり高くない波が何層も、沖から重なっている。波は左右に白く長く、でも砂浜に打ち寄せてくるようでもなく、そのまま中空に止まってしまったように動かず、波音もしない。波がかすかに白く浮かんでいるだけで、海全体は暗い。空も暗い。砂浜も暗い。その砂浜にぼくが立っているわけではない。ぼくは遠くからその浜辺を見ている。見ているぼくはざわざわと不快感が、でもあまり強くはなく、胸から喉の方に上がってくるのを感じている。
 その情景は、昼間の明るい光の中ではあまり見えない―見えなかった。でもこの頃は電車やバスに乗っていても、街中を歩いていてさえ、ふと目をつむると目の前に浮かぶ―幸い、いまのところはすぐ消えてしまうのだが。
 この情景が浮かぶことを強迫観念のように苦しんでいるというわけではない(そうだとしたらそれはすでに神経症だ)。だが一体、これは何なのだろう?
 生きることの、老いることのしんどさ? 孤独感? やがて来る死に対する不安? あるいは、世界の未来の予感? いずれにしても、その砂浜はぼくの心の中にあるのかもしれない。
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