すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

三月

2021-03-30 17:36:17 | 詩集「黎明」

虚空に投げ上げた網いちめんに
樹は幾億の芽をふかせた
吹雪に鞣された幹のなかで
樹液は新しい季節への鼓動を打ちはじめた
最初は誰の耳にも聞こえぬほど微かに
年ごとに幼い生命をはぐくみ
みずからの懐に無数の飛翔と死とを準備しながら
樹はまたひとつ 成熟への歩みを進ませた

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