東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

政局誘導か?

2014年05月15日 | インポート
Photo 読売新聞は、5月12日「集団自衛権71%容認」をトップ記事で報じた。同社の世論調査を根拠にした記事だが、「全面的に使えるようにすべきだ」は8%、「必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」が63%、これを合わせて「容認」71%とした記事だった。ちなみに、この世論調査で、消費税の来年10月10%引き上げには、賛成29%、反対66%。安倍政権の原子力発電所の運転を再開する方針には、賛成39%、反対54%だったが、これに関する記事は見当たらなかった。
 狙いは、どうも公明党のようで「公明党は限定容認論にも慎重だが、同党幹部は11日、『こういう記事がどんどん出てくると、党の主張のあり方を考え直さないといけない』と語った。」と報じ、2面には、「自民、公明説得に追い風」の大見出し。
 5月14日には、「安保懇報告より対象限定 集団自衛権 首相あす方向性表明」がトップ記事で、15日の記者会見で、憲法解釈見直しの対象を絞り込んだ「基本的方向性」を表明すると踏み込んだ記事。その4面トップには、「集団自衛権 公明の苦悩 自民と支持母体の板挟み」と今夕の安倍首相の記者会見のターゲットが与党公明党であることを鮮明に描きだす。
 今日の夕刊では、「与党協議では、グレーゾーン事態やPKOでの『駆けつけ警備』など、公明党の理解が得られやすいテーマから検討が進められる方向だ。」と今後の政局を報じた。
 ちなみに同じ夕刊で日経は「夏にも集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更を閣議決定したい考えだが、公明党内には慎重論が強く、協議は難航も予想される。」時事通信は「戦後の安全保障政策の根幹を憲法改正によらずに転換することにつながり、国論を二分するのは必至だ。」と報じ、その違いも鮮明になっている。
 読売新聞の政局を誘導する姿勢をひしひしと感じざるをえない4日間の報道だった。
 初めから「必要最小限の範囲」に限定しては、戦争はできない。戦争を起こさない、起こさせない智慧があればいいだけのことだ。集団的自衛も「必要最小限の範囲」にすることは不可能である。安倍政権は国民を騙す「書き換え言葉」をやめるべきだろう。
オオベニゴウガン・オキナワで4月に撮影