東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

先生!

2014年05月07日 | インポート

Photo  池上彰さんが「先生!」というお題で、それぞれの人にとっての「先生!」を書いてもらった新書が興味深かった。人選も、内容もバラエティがあり、かつ、今の厳しい現実に立ち向かっている教員を励ましてくれるものになっている。ちょっと紹介すると、
 ノンフィクション作家の稲泉連さんは、車椅子の同級生と昼休みに一緒に歩く練習をして、体育の授業を受ける権利を保障するの杉山先生の思い出。「スギセンは子どもたちの側の代表として確かにそこにいた。子どもが子どもでいられるたった一度の時間を何よりも大切にしようとした。」と語る。
 タレントの押切もえさんは、「先生が、ただの『先に生きている人』ではなく、もっともっと、愛される世の中になればいいなと思います。先生だって、生徒だって、人間なのですから。T先生が小学五年生の私の中にあった、小さな芽に光を照らしてくれた、だから今の私かあると断言できます。すべての先生が、子どもたちの小さな芽に光を照らす、太陽のような存在でありますように。」と先生を励ましている。
 柔道家の山口香さんは、「私にとって先生とは、単なる知識や技術ではなく、物事の見方、考え方を教えてくれた人である。『学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない』(ロジェ・ルメール仏サッカー監督)という言葉は、すべての先生、指導者が噛みしめるべき言葉だ。」と自分の戒めにもしている言葉を紹介している。
 開成中学校長の柳沢幸雄さんは、「教員に任せれば、生き生きとした授業になります。生徒に自由に将来像を描かせるためには、教員も自由でなければならないのです。」「(生徒が)友人だちとの関わりの中で、自分の好きなもの、好きなことの方向性を見つけることができれば、居心地のいい自己肯定的な時間を過ごすことができます。」と開成の教育は自由の保障であることを強調する。そのためには、教師も自由でなければならないと断言する。
 お笑いコンビ・パックンマックンのパックンさんは、「授業中にいつでも先生が生徒からの質問を受け入れる体制ができている。先生が授業を始める前に、よく『The only stupid question is the one not asked.(唯一馬鹿な質問は、聞かなかった質問だけだ)』と伝えておく。そこで、いきなり面倒くさい質問をする生徒がいたりするけど、そんな時も「いい質問だね~」とそのまま受け入れる。」とアメリカの教員を紹介している。
 ベストセラー「五体不満足」の乙武洋匡さんは、「『子どもたちの個性を尊重しよう』教育現場ではこんなことが言われているが、そのわりに教師の個性は尊重されていないのが現状だ。画一的であることが求められ、必要以上に「横並び」を意識させられる。こうしたなかで、本当に教師が子どもたちの個性を尊重できるのだろうか。」と、子どもも教師も、みんな違ってみんないいと主張する。
 
 この中に2人も都の教育委員がいましたが、わかりましたか?
 教職員が読むとちょっと元気になる本でした。「先生!(池上彰編、岩波新書)」
コブシ


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