富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

政策協調から協同連動へ:習近平政権の国際協調主義

2017年11月20日 | Weblog

アメリカの伝統的な外交政策は、政策協調による国際協調を目指すものであった。しかし、他方で、アメリカ第一主義の孤立主義の陰も強く、国際戦略は揺れに揺れてきた。中国共産党は、レーニン、スターリンの流れを汲む毛沢東の世界革命を軍事的に成功させるという世界戦略を廃棄した。それにかわり、世界の社会主義政党が、まず第一段階として、行動綱領として協同連動を進めてきた。これには、ドイツの社会主義理論の革新が大きな貢献をなしている。中共中央の対外連絡部を媒介に、世界の政党との協同連動を呼びかけ、積年の宿敵であったベトナムとの間で、共通認識が生まれた。その背景には、アメリカが世界の最先端で、単一の指導権を失い、アメリカ以外のどの国も、戦後のアメリカとの関係の長所と短所を見極め、自国の利益を国際間の政策協調からさらに協同の行動計画をもつシステムへと変換する方向へ歩み出した。この観点から、中国共産党が根気よく朝鮮労働党に働きかけ、南北朝鮮の緊張緩和に取り組むならば、そこに新たな可能性が生まれる。

しかし、他方では、中華民族の優位を妄信する驕りを牽制する調停者が、全地球的に求められる。それは、ヨーロッパ社会、アメリカ社会の底流にあるキリスト教社会主義の政党、政策研究グループである。日本の場合、政権政党である自由民主党が中国との「協同連動」に大きく踏み込むことは危険なので、野党連合が中国との「協同連動」を目指す方向で、中国の野望の良心化に寄与する必要がある。

アメリカとの協調が大事な場面では、自由民主党の出番。中国との協調が大事な場面では、野党連合が出番となる。ともかく、野党に欠けているのは、世界史の基礎学力である。

 


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富山県は、量子コンピューターを核とする新庁舎建設を企画するべきだ

2017年11月20日 | Weblog

新聞報道では、<スーパーコンピューターをはるかに超える高速計算を実現する「量子コンピューター」の試作機を、国立情報学研究所などが開発し、27日から無償の利用サービスを始める。世界的な開発競争が進むなか、試作段階で公開して改良につなげ、2019年度末までに国産での実用化を目指す。>と伝えている。これは、情報処理による新技術が、さらに新しい段階に入ることを意味する。2019年の国産実用化に備えて、富山県で量子コンピューターを運用するためには、大学か、富山県庁か、このいずれかである。そのうち、大学は国立大学では最低ランク、県立大学のカテゴリーでも単科大で低位層にあるので、国家戦略には対応できない基礎体力しかない。あるとすれば、富山県庁は、地方自治体の能力では、石井知事の学力のおかげで、J!のカテゴリーにある。

量子コンピューターは計算速度が飛躍的に早いが、計算過程にいれるまでのBigData蒐集、プログラミングなどの前工程に多くの知的技術人材がいる。それと、BigDataから県勢と憲政の基本指針を求めるという行政の技術にも及ぶ改革が求められる。石川県庁は、古いロジスティクス理論により立地を定め、大規模な新庁舎を建設したが、量子コンピューターの時代を想定していなかった。ここに、近未来の富山県庁は、コアーとなる頭脳の演算装置を基盤とするかたちで、グラスファイバー回線の独自化を図ることで、地球上で最初の「量子コンピューター」をコアーとする地方自治体の形成に取り組むべきだ。少なくとも、それが世界の公務員のための観光資源にはなりうるというリターンだけは期待できる。現庁舎を徐々に県民会館のような性格に移行させ、比較的に狭いNHK放送局跡地には、「量子コンピューター」を中枢とする新庁舎を構想するべきである。観光用の客寄せは、旧庁舎にも多くを委ね、新庁舎は地下40メートル以上の空間を利用し、耐震性および核シェルター型の駐車場をもち、防災センターとしての機能を備える必要がある。ともかく、石川県庁は旧時代の新庁舎である。だから、富山は広域地方自治体の先端に位置しなければならない。


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