富山マネジメント・アカデミー

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新時代の中国と富山県

2017年11月16日 | Weblog

新時代にはいった中国と富山県の関係を整理しておこう。新時代とは、高度な情報社会である。それは、究極のパーソナル・コンピューターであるスマート・フォンの普及により、電子通貨システムが、国民の消費生活のうちの都市住民の大半を占めるようになったことである。そこで、取引される商品は、中国の純国産品ではなく、外国製品が占める割合がたかい。特に日用品は、日本の優良企業の製品が市場占有率を高めている。富山県の企業では、このような都市の若者を中心とする消費市場では、ゴールドウインさんと、リッチェルさんが、大きな可能性を持っている。それ以上に、スマート・フォンの生産において、富山県は、富山ムラタさんなどが有効な供給地になっている。スマート・フォンは、部材が軽いので、航空貨物に適している。生産地は、湖北省の武漢市である。中軸にあるのは、シャープの親会社になった台湾の鴻海である。このような武漢市を生産拠点とする仕組みにおいて、富山のインテックも事業を拡大している。ここで注意して欲しいのは、台湾はすでに大陸経済の中枢に進出している、という事実である。もはや、中国大陸と台湾との間には、軍事的な境界が薄くなり、航空貨物が中国大陸の内陸都市に頻繁に飛んでいる。

富山県は、旧時代の中国との関係を、遼寧省との間で構築してきた。これは、大連市が遼寧省の属していることで有意義なのではなく、上海経済と大連とが100年の連携があるためである。大連ー上海の航路は、旧時代の中国経済の大動脈であった。しかし、大連から瀋陽を経て、中国の東北三省の経済発展は、遂に期待されたほど伸びなかった。いまや、黒竜江、吉林、遼寧の東北三省は、産業基盤が「長重大厚」の重化学工業にあり、北朝鮮の鉱業と工業と合わせて極東経済を形成していたが、中国側では、東北三省の共産党が異端とされ、かって異端とされた福建・浙江が主流に転じたことで様態は様変わりしている。

新時代の中国は、長江流域の内陸部が、長江の航運の利便性に加え、国際金融都市である上海市を基点として、「一帯一路」が現実的な通商のロジスティクスを形成していくことになる。政権の安定性、持続性の保証は、長江流域の成都、重慶、武漢、南京、蘇州、上海のラインのさらなる発展力にかかっている。富山県では、こうした新時代の変化に応じ、環日本海主義の「陳腐化」を早急に是正する必要がある。

 


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