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中国語の「談判」と、日本語の「対話」の違い

2017年11月12日 | Weblog

日本メディアの政治・外交の方面の勉強の不足は、同じ漢字の文化で、大きなニュアンスの違いが理解できていないことにある。中国語の「談判」は、「難問題の交渉」という意味である。決して、「対話」という語感の意味ではない。敵対的な関係にあるAとBとが、和解が困難である課題につき妥協点を求めて交渉する、という中国の外交の専門用語である。日本でいう「文明の対話」というような親密な関係が、その背景にある接触ではない。敵対勢力が、これ以上に関係を悪化させないために、好ましくないが交渉のテーブルに着くという意味である。習近平政権は、国連の安保理で決議された「経済制裁」条項を順守する立場で、北朝鮮と敵対したうえで、「朝核」問題に関し「談判」の道を拓くということで、アメリカ外交、日本外交と中国外交の方向軸は、きちんと整合しているのである。

日本のメディアは、中国の外交の専門用語を理解できないでいる。米中は、「対話」の関係にあり、日中も「対話」の関係にある。しかし、中国と北朝鮮とは、「対話」関係ではなく、「談判」の関係にある。このように、同じ漢字を使用しても、語感のずれで、中国の北朝鮮問題での外交姿勢を非難するのは無知に等しい。


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