トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

ハートのエースが見えてなーい

2024-06-23 | 水辺環境の保全

 「夏草や弱虫どもの精を断つ」と句聖が詠んだように水槽が隠れてしまえばこれを頼りの生命体は精も根も尽き果ててしまうだろう。そこで及ばずながら姥捨て山の孤爺、孤爺奮闘して水槽を露わにし、ついでに桶内に堆積物が多いのを選んで中身を取り出した。これで見た目、これは人間様の視点ではなく生息する生物の視点での見た目であって「里山保全」は古の昔と異なり生活密着型ではないので生物の視点で整備するべき、と言うのが小生の立脚点で、これは完全に周囲から遊離し孤立する立場でもある。百歩譲って同調すればすべてが「人間様中心の設え」となり生物保全や里山環境保全は成り立つはずも無い。どこでも一様に「良かれ」と刈りまくっている坊主刈りは生物的廃墟を継続させる行為でしかないと言うべきなのだ。そこには種の保存も生物多様性への微力さえ働いてはいない。

 さて、動力ではなく手鎌で必要な部分だけを刈り取って露わにしたらその途中で直ぐにヤブヤンマが産卵に来た。ヤブヤンマは水域に産卵はせず至近の湿った土や苔、腐木などに産卵するけれど水域が無ければ産卵する訳も無い。ヤブヤンマの産卵好適地も設えてあるものの選んでくれるかどうかは当人次第で、まあ、これは孤爺の出会い系サイトなのであるわい。言い換えれば孤爺の出会い系サイトの登録画面をリニューアルして注目を浴びさせたかったのが見事に決まった。見事に外れ頭かッと来た最終作業・・・なんて結末は全く無いのがフイールドの優しさでもある。左側の水槽内のカサスゲを半減させたかったのだが羽化体がいたので右側だけの処理で終わる。翌日以降、羽化体が無いのを確認して株を半減させよう。その羽化体なのだが昨日、抜け殻判定でマルタンヤンマと判明した。マルタンヤンマがこんな水槽に産卵し羽化までに至ったのは驚きなのだが、ルリボシヤンマもクロスジギンヤンマも巣立った行った水槽なのであたり前田のクラッカー・・・か。

 冒頭の戯れ句、本音は「夏草や小虫らどものパラダイス」、てなもんや三度笠!。ちなみに先日のヤブヤンマの産卵写真、下記写真の左端、エノキの左上ほどの位置にあった苔の中と大型水槽の短辺外側、土の見えている地点での産卵写真だ。どっちにしても1mmほどの孵化幼虫が移動するには大冒険のはずである。恐れ入り谷の鬼子母神。しかしなあ、飛行時間ものの数秒の地点内に産卵適地を点在させているのに敢てアリなどの捕食者に襲われやすい環境を選ばなくても…と思うのだが近接撮影を許した個体なのでよほど切羽詰まった陣痛だったに違いない。


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