「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないのだが「泥が溜まれば草を刈らねば」もまた道理なのである。たびかさなるゲリラ雷雨や集中豪雨で補修に追われて泥上げさえ出来ないままに年を越したのだが、既に今年も折り返しは過ぎてしまったのである。それだけでなく猛暑続きで過去最悪という気象下では泥浚いなど出来る訳も無く水域の水深は浅くなる一方なのだ。今期、ある企業から助成を受けてトレイルカメラを購入出来て「イソヒヨドリの給餌状況」や「夏の夜間にに飛来する水鳥の確定」、「冬の塒と採餌に飛来する水鳥の確認」が可能となって準備したものの、イソヒヨドリの給餌状況の撮影はカメラが感知して録画を開始するまでの短い間に巣内に入るので結果的には「何も映っていない画像」が撮れて終わった。常時収録の機種に変更しないと無理なのが分かったのが収穫。
水域の撮影は水深が浅くなり過ぎて水鳥の浮かぶ余地が無くなり夏の夜間撮影は成果を得られなかったから、少しでも泥上げを進め冬期の撮影に望みを託すもののゲリラ雷雨や台風、集中豪雨など目白押しに押し寄せて来る今日、「水を怠りなく届ける」緊急補修だけで精いっぱいなのも正直な実態なのである。泥上げするにしても夏草茫茫の条件下では難儀するので、今回は気温30℃前後になった事を確認し水域の刈り取りに入った。伸びるに伸びた草本はほぼ1m超えである。この草勢のお蔭でバッタ類も多くオオカマキリも多数生息しているのが分かった。「オヤッ!」と思ったのはキリギリスの姿を見られた事で鳴きも今期は聞いていたけれど姿を見たのはフイールドではお初である。少なくとも「坊主刈り」を行わない結果、草叢を棲み処にする昆虫は増えているのだが「草本植生を維持する」事を理解できる人は極めて少ない。坊主刈りして「鬼の首でも取ったかの如く」晴れ晴れするのが普通なのである。
さて、肝心の泥上げ場の刈り払いなのだがジョレンで泥を掻き上げる場所を確保できれば良いだけの話、なのだが泥が蓄積されて畔が高くなり作業がやり難くなっている。高くなった部分を場外搬出できれば作業環境も良好になるのだが寄る年波、寄る熱波の昨今では絶望的になってきた。
棚田温水田泥上げ部