度重なるゲリラ豪雨で水域の保全が間に合わない。取水地の埋没がそのままなのはその最たる事なのだが鍬やスコップでガリゴリやったところで「河原に爪楊枝」程度のひっかき傷にもならない微力さで、いまのところ県の担当課の現場確認を待って判断を聞くしかないのである。それでもこの日、4本鍬を車載して災の河原に挑もうと思ったのだが、それよりも実効性のある早急の課題の処理も大切なので上の池の導水路の改良に出かけた。
上の池には吐水部と林道上の雨水を流す沈泥路と北側の山体から出る絞り水の沈泥路があるのだが、最近のゲリラ豪雨で絞り水からの砂泥の堆積も激しく、これを浚渫しても道路上に運ぶのが難儀なのだ。そこで常々思案していた二本の沈泥路を一本化して砂泥の堆積を西側の作業し易い堤際に集中させることにしたのだ。暑い盛りに土木などとんでもないし最優先の作業でも無いので先送りしていたけれど、やはり後々の浚渫土の運び出しを考慮すると早めに設えた方が良いに決まっている。とは言え浚渫も運び出しも予定が立つ訳も無いのであるがまあ、一つ一つ潰していくしかない日々である。
まずは運び込んで放置されたままの腐材を流路の護岸に用いた。例え腐材であっても浸食防止には泥土より耐久性がある。一通り材を並べてから水路の掘削を開始する。掘り上げた土はそのまま池に流れ込んでいた水路の末端に投じて堤を形成する。その間に流れて来る絞り水も溜まるので、その水位に合わせ流路を伸ばしてもう一本の流路落込み部と繋げた。水勾配は「取れる」と確信あっての作業だったが思いのほかうまくいった。とりあえずは流路として機能しさえすれば砂泥も一緒になって沈泥するだろう。出来てしまった砂州の取り出しは今の処は予定が立たない。
水域全体が砂泥の流入で浅くなって小魚や塒に飛来する水鳥の遊泳にも差し支える状況にもなっているから浚渫は急務なのだが池の大きさからジョレンではとても無理でもある。とは言え水際から2m程度でも浚渫しないよりましなので立ちんぼしつつ溜息出すより気合いだ気合いだーてなもんや三度笠。今回の流入路を一本化した事で沈泥部も一カ所となった。泥土溜まりは下の写真左上に見えているが今回潰した泥土溜まりは全て泥浚い出来ずに残った。ここも合わせて浚渫しなければならない。