一念発起して棚田まで脚を伸ばした。田植え以来だから六ヶ月ぶりになる。どの田も水を湛えているが、今にも畦から溢れそうで、早めに改修しないと堤が崩壊してしまいそうだ。
その原因になったのが猪による耕起である。植生がすっかり失われてしまったほど、丁寧に全面を穿り返してある。そのため畦の高さも失われて田の水面と同じ程度までになってしまった。棚田六枚の堤を補修するのに何日掛かるのか見当もつかない。
水を落として乾田にしておくのなら別だが、水生生物のリザーブタンクとして機能維持するとなると水を切る訳にはいかない。そして渇水期の冬に手当てをしないで春まで待つと、堤が損なわれる可能性が大なのだ。
一度は復元・再生させたが、底なしの維持管理が待っていた。水田なのに火の車なのであるなあ!。