一時期、豚熱の流行で威之志士様の跋扈蹂躙は影を潜めていたもののこの頃は復活してしまい従前より広範囲に地面を掘り返すようになっている。きっとしぶとく生き残った家系なので繁殖力も旺盛なのだろう。しかしながら農地では無いので跋扈蹂躙から守るべき手立てがない。弱い定植したての草本や木本は周囲に竹酢液を噴霧して「気分防御」しているのだが、広範囲に出来る事でも無いし費用も掛かる。
そこで昨秋末、刈り取ったタイアザミを掘り返しの激しい一画に伏せておいたのだがその部分だけいっこうに触れた痕跡がない。タイアザミから外れたところは掘り返しがあるのにである。これだけで結論を言うには早いけれど、少なくとも鼻面にチクチクして場合によっては突き刺さる棘が嫌なのだろうとは想像がつく。タイアザミの棘はノイバラの棘より小さく弱いけれど細かさが優位に立って軟らかい皮膚に刺さると取り除き難い。そんな事で鼻面で押しのけるのさえ「遠慮します!」と跋扈蹂躙罷り通る威之志士様ではあるが意外に繊細なのだと思ったのである。