異世界ものには必ずといっていいほど「エルフ」が登場する。その風貌はエルフとはこういうものというのが決まっているかのように描かれる。一番の特徴は長く尖った耳。元々は北ヨーロッパの民間伝承に登場する種族のこと。イメージを決定づけたのは「指輪物語」だろうか。この耳をみて誰もがエルフ族と思うだろう。日本で言えば鬼の外見が誰もが想像する雛型が存在するのと同じかもしれない。誰かが想像したものが、まるで既成事実であるかのようになってしまうのは面白いけれど半面恐ろしいことだ。常識というものはまず疑ってかかるべきなのだろう。
「異世界おじさん」より ツンデレエルフ