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青い実のなる頃に



                  いつの間にか
                  青い実のなる頃に




                  時は当たり前に
                  やっては来なかったけれど




                  物憂げな
                  低い曇り空の下




                  それでも青い実は
                  清々しく息をして




                  この曖昧な
                  季節の後に来る




                  鮮やかな秋の日差しを
                  浴びる頃には




                  きっと枯葉に似合う
                  錆びた朱色に
                  色を変えているのだろう

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は~い 秋でーす!



                  は~い 秋でーす!




                  どーぞ こちらへ
                  秋です




                  いらっしゃいませぇ♪
                  秋です




                  (みんな そろって)
                  ようこそ 秋です




                  二人そろって
                  美しき秋




                  ・・っと!
                  夏の居残り組
                  秋はあちら




                  もう少ししたら
                  もっと秋らしくなる・・と思う




                  というわけで
                  今 秋の入り口
                  わ~い!


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秋風吹いて



                  間に合わせの
                  薄手のセーターが心細い




                  突然の秋は
                  もう冬に近い寒さで
                  やってきて




                  野はどこか寂しそうで
                  咲く花も言葉少なげ




                  吹く風は少し強引に・・
                  もう秋風?




                  それでも長い夏の後は
                  秋風が嬉しく




                  秋の風景の中に咲く
                  小さな花に
                  挨拶でもしたくなるような



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生まれたてのススキたち



                  100パーセント
                  ススキになっていないススキたち




                  花開くまであともう一歩




                  ちょっと名残惜しいのか?




                  優しさに包まれた
                  子供でいることに




                  蕾の殻にしがみついてる
                  あと数本・・先っぽ全部




                  甘えん坊の色々な形




                  すっかり大人になる瞬間
                  じっとそばにいて




                  見ていたい気も
                  するのだけど

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空のキャンバス



                  太陽を避けて歩いた夏




                  久しぶりで戸外の深呼吸




                  空を見上げれば
                  まだ残る緑を背に




                  割って入る
                  葉のシルエット




                  気持ちよさそうに
                  思い切り手を広げ




                  まるで一気に書き上げた
                  筆のあとのように大胆に




                  空はおおらかに
                  自然の画を受け止めて


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さよならをするために



                  少しうんざり・・・
                  少しあきらめ・・・




                  最後には
                  こんな気持ちで




                  空を見て
                  夏景色を見続けて




                  なのに!
                  なんの挨拶もなく
                  夏はあっという間に




                  秋にバトンタッチさえもせず
                  突然の毛布の寒さ




                  ゆっくり夏と
                  さよならをするために
                  夏景色




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いつの間にか



                  濡れた小道を
                  肩をすくめながら歩く




                  肌寒さが心地よい
                  曇り空の優しさ




                  カサカサと喧嘩腰のような
                  白さだった花も




                  しっとりと
                  天使のような汚れのない
                  白さに変わり




                  長かった夏は
                  あっという間に姿を消した




                  秋は来るのだろうかと・・
                  好きな秋は・・




                  秋はゆっくりと
                  影から現れて




                  いつの間にか
                  季節は深く息をしていた

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花びら落ちて



                  さぁ
                  秋風の通り道




                  花びら落として
                  どうぞどうぞと風の道




                  いっこうに来ぬ秋風に
                  痺れを切らして




                  それではと
                  トンボと遊べば秋気分




                  深い青空ススキの穂
                  そして・・
                  まん丸坊主の花の種




                  散った花びら
                  いい秋呼んで!

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いつか見た風景



                  いつか見た青い空




                  どこかで見た白い雲




                  あの時の遠い風景




                  遠く聞こえるのは
                  あの時のあの子の声




                  ふっと・・
                  麦藁帽子が白い花の上に
                  浮かんできそうで




                  そしたら
                  なんて言おう・・




                  「遊ぼっ」

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KICHIJYOUJI COLOR



                  古い物ものと
                  新しいもの・・・




                  好きだった古いものが
                  少しづつ消えて行き




                  追いかけて行きたいけれど
                  追いかける間もなく




                  新しいものの中に
                  取り残されて




                  落ち着き所もなく
                  少し揺れてたたずむ




                  それでも一つ二つと
                  馴染みの色を見つけると




                  足取り軽く
                  KICHIJYOUJI COLOR

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