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思い出小道



                   誰かと歩いた
                   というわけでもないのに




                   懐かしい思いがする
                   アジサイの咲く道




                   水色のアジサイは
                   どこか思い出色




                   小さな傘と長靴と




                   ゆっくり歩くかたつむり




                   傘でかくれた憧れの人




                   水色のアジサイの向こう側




                   行けそうで行けない・・
                   心だけ・・歩こう
                   水色の思い出小道

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時には・・



                   時には・・・




                   ぼんやりと
                   花を眺めていたい




                   何も考えずに
                   花の中にいたい




                   そんな時は・・




                   ほんの小さな
                   花のそばがいい




                   まわりの空気に
                   隠れてしまいそうな色の
                   花のそばがいい


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誰もいない庭で



                  どこか懐かしい風景・・
                  珍しい花達だというのに




                  心地よく花の間を歩く




                  倒れた花を避けながら




                  避けきれずに触れた花が揺れる




                  一足ごとに花の世界に入っていく




                  この中にずっといられたら




                  きっと・・嫌いな・・虫たちとも
                  仲良くなれそうな気までして




                  心が緩やかに・・
                  花達のように解き放たれていく

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はじめて見る赤い花



                  どこの国の花なのだろう




                  心の中に戻る場所などない
                  初めて見る花




                  今この花との想い出を
                  作ろうとしているのに




                  強烈な姿は
                  少しもてあまし気味




                  ポツポツと来はじめた
                  空を見上げると




                  着信音が鳴りだす
                  先を急がねば・・




                  心のどこに入れてあげよう



                                    (アメリカンディゴ)                                                         

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出会い



                  ほんの数日前だった
                  赤いアジサイが
                  あると言う事を知ったのは




                  いつか見てみたいと
                  そのとき思って




                  そんな思いが
                  頭の片隅に
                  追いやられる前




                  植物園の
                  草むらの陰に
                  赤い花を見つけた




                  その瞬間確信!
                  赤いアジサイ!!




                  思いは通じて・・
                  でも・・カンカンのブログを
                  見ることがなかったら・・・




                  赤い花は視野の片隅を
                  気づかれることもなく
                  通り過ぎていったのだろう

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都会のオアシス



                  丸の内・・
                  広い道路の
                  信号が点滅




                  昼食を終えた
                  サラリーマンが
                  急ぎ足で渡る




                  みんなで渡れば・・で
                  私も急ぎ渡る




                  間に合った!
                  立ち止まり一息
                  ・・・と




                  目の前の
                  ビルの一角に
                  珍しい花々が
                  咲き乱れて




                  次々に来る
                  急ぎ足の人を背に
                  カメラを向ける




                  なんとなく感じる
                  「おのぼりさん?」視線




                  気にしない 
                  気にしない ねっ!
                  気にしないでいいよね
                  こんなに綺麗な
                  花達だもの

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縁側・・スイカ・・夏休み



                  縁側 スイカ 麦藁帽子
                  虫取り網に・・浴衣・・




                  蝉の声 お昼寝
                  蚊帳に・・蚊取り線香・・




                  朝顔 向日葵 たちあおい




                  いつの夏も
                  両手にいっぱい
                  「夏」を抱えて通り過ぎ




                  抱えた[夏」を
                  時々出して
                  思い出すあの頃




                  またひとつ
                  「夏」に出会って
                  思い出す「夏」




                  たちあおいの咲く夏は
                  一番上等の夏だった




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一人静かに見る花は・・



                  一人静かに見る花は・・・




                  冷たくポツリと咲く花か



                  それとも
                  明るく冷たく咲く花か




                  しばらく佇み眺めれば




                  冷たく大きな花もいい




                  一つ一つの花を見て




                  花びら一枚一枚数えれば




                  やっぱり
                  一人騒いで見る花は・・か・・

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天まで・・とどけぇ~!



                  一年前の春の日に
                  小さな鉢植えの苗を買ってきた




                  その苗の名はフェンネル!
                  天までとどくのを夢見て




                  ところが
                  小さな花が二つ三つ・・
                  枯れずに年を越し




                  そしたら・・そしたら・・
                  そこからにょきにょき
                  天までとどくか!と思った頃




                  蕾がぽちぽち
                  上から見たかったのにと
                  下から見る花に贅沢な思い!




                  大きくなったフェンネルに
                  我儘な思いは敵と・・
                  脚立!脚立!




                  狭い我が家の庭に
                  ぴったりマッチの
                  細くてのっぽ!




                  う~ん・・育ての親は
                  似ても似つかぬ・・・庭の邪魔

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冷たく光る



                  6月の夕暮れ




                  ひくい灰色の空




                  曇りガラスのような
                  冷たい明るさ




                  その空を向こうに




                  白く硬い花びらは




                  気づかぬほどの風に
                  形を変えることもなく




                  冷たく光る




                  梅雨の華

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