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何を見て・・咲く



                  何を見て・・・咲く
                  何を思って・・咲く




                  さくらを見て・・思う




                  あの頃・・

                  桜の花が咲くことを
                  知った頃




                  散る花びらを
                  手のひらに集めた頃




                  桜が咲いているなんて
                  気がつきもしなくなった頃




                  そして
                  満開の桜の世界に
                  一人で浸り・・




                  今は・・
                  さくらを見て思う




                  今日の日を
                  いつか
                  どんな風に思うのかと

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さくら色の雲



                  花びらが
                  幾重にもかさなり




                  さくら色のふわふわ
                  遠くに青空




                  心地よい
                  さくら色の中で
                  夢を見る




                  きっと
                  雲はさくら色




                  ふわふわの雲の中
                  指でそっと
                  つついてみると




                  花びらが
                  はらはらはらと
                  散るでしょう




                  夢の中で
                  雲はさくら色




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いま・・・



                  花を・・見る
                  目の前の・・花を見る




                  何かを
                  捨てなければ
                  花の心に
                  近づけないほど




                  無垢な花に・・




                  優しい
                  気持ちでなど
                  見ることもできず




                  少し思い切って
                  挑戦的に・・




                  花は何も変わらず
                  ただ・・




                  優しく・・遠く・・
                  咲いていた

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滑り込みセーフにはなったけど・・・



                  娘が・・ソメイヨシノは
                  どこか不自然だという




                  そうか・・と
                  満足のいかない写りに




                  この言葉を味方に
                  弁解をする




                  そんなずるい気持ちを
                  置いておいても・・




                  やっぱり
                  葉桜は美しい・・と思う




                  白い桜・・
                  葉のついた
                  白い桜が咲いたら




                  写そうと・・
                  行って見ると
                  花びらは散って




                  なんだか
                  夢にまで見た人とのデート
                  すっぽかした気分
                  
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春 のどか



                  むくむくと
                  音が聞こえそうな




                  そんな勢いで
                  葉の先が
                  天に向かって




                  ・・・?・・・
                  むくむくの音は!




                  葉の先から?
                  葉のつけ根から?




                  さぁて
                  どこから
                  伸びるのだろう・・と




                  若い芽を身ながら
                  久しぶりに考えた
                  ひととき




                  春 のどか

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いつの間にか・・



                  いつの間にか時は巡り
                  また桜の季節がやってきた




                  一つ年を重ねるごとに
                  一年は短く感じ




                  出会える花にだけは
                  短い一年を喜べる




                  いつもの花の下に立ち
                  いつもと違う花の景色に




                  同じ時など
                  二度とないことを思い




                  今年の桜を
                  今年の色で写す




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心が躍る



                  戸外に出ると
                  春の日差しは
                  ほんの少し
                  白い色を帯びて




                  セーター一枚
                  脱いでみれば
                  寒さはまだ
                  きついけれど




                  白みを帯びた
                  光が作る世界は




                  冬の間
                  堅くなった心を
                  ゆっくりと
                  溶かして・・




                  どこへ
                  行こうかなんて
                  決めていない散歩道
                  躍る心にあわせて
                  軽やかに 

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舞わない枯葉



                  色が違う
                  枯葉の
                  色が違う




                  強い春の風に
                  揺れる
                  翻す




                  舞うことない
                  枯葉




                  緩い
                  冬の日差しの頃




                  待って 待って
                  待ちくたびれるほど
                  待って




                  春の日差しに
                  会えたなら




                  しばらく舞わずに
                  春の茶色

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天使のらくがき



                  いったい
                  いつ・・だれが・・ここで・・




                  遊びに遊んで
                  楽しんで




                  葉っぱの隙間に
                  葉っぱの脇に




                  クルリンクルクル
                  まわってまわって




                  花なんて
                  咲きそうにもない
                  葉だけれど




                  花よりも
                  じゅうぶん目を引く
                  天使のらくがき

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透明な色



                  白い水仙と
                  幾色ものクリスマスローズと
                  黄色の水仙




                  午後も暫く過ぎると




                  すべての色は
                  ビクトリアを混ぜたように
                  透明になり




                  透明な色の重なりは
                  また新しい色を作り出す




                  幾重にも重なった色は
                  深い色となり




                  透明なひと色と
                  駆け引きをする




                  白い紙の上での
                  駆け引きはいつも
                  意地が悪いけど




                  自然の中での
                  駆け引きは
                  優しく
                  色をまとめて・・・

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