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今日の筆洗

2022年03月23日 | Weblog

映画館が停電する。場内アナの声。「停電のためしばらくお待ち下さいませ」。客席の男がつぶやく。「今夜の映画は停電するわけがないんだがなあ」。「あらどうして」。隣の女性が聞く。「だって『ガス燈(とう)』だもん」▼少々説明がいりそうだ。『ガス燈』はシャルル・ボワイエ主演映画の題名。コントの出どころは一九四七(昭和二十二)年十一月放送のNHKラジオバラエティー番組「日曜娯楽版」である▼戦後間もない時代は停電がしばしばあったそうで停電をからかったコントがよく出てくる。こんなのもあった。「みんなが困っているのになんで停電が好きなのよ」「へーい、ローソク屋でござい」−▼そんな時代から七十五年後にまさかの電力不足である。政府は東京電力、東北電力管内に初の「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を発令した▼十六日の宮城県などでの地震の影響によって火力発電所六基が停止。加えて折からの寒の戻りで暖房の使用が増え、需要に対し電力供給がぎりぎりの状態になった。間の悪い名残の雪が恨めしい▼三月の雪と聞けば、井伊大老暗殺の桜田門外の変を連想するが、社会にあだなす電力需給逼迫という名の「討ち手」がひたひたと迫っていることを国や電力会社はもう少し早くに教えていただけなかったか。突然、警報だ、節電だと求められても家庭も事業所も協力のスイッチは入れにくかろう。


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