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今日の筆洗

2022年10月22日 | Weblog
江戸時代の長崎の正月行事に絵踏(えぶみ)があった。キリスト教徒摘発のために人々に聖画像を踏ませる▼町年寄、町民、遊女と日付を変えて順に行い、着飾った遊女の日は見物客も多かった。終了後は厄払いの祝宴もあったとか。一方で葛藤しながら、信仰を隠すために隅の方をそっと踏んだ人もいたという。キリスト教関連の遺産を紹介する長崎県のウェブサイトを参考にした▼参院予算委員会で立憲民主党の打越さく良氏が山際(やまぎわ)大志郎経済再生担当相に、旧統一教会の信者かどうか聞いた。山際氏は信者でないと答えたが、絵踏のような質問に批判も出ていると聞く▼会合出席など教団側との接点が次々と露見して追い込まれ、「瀬戸際(せとぎわ)大臣」とも呼ばれる人。霊感商法や高額献金など問題が指摘される教団にお墨付きを与えるような政治家の行動は批判されて当然だが、憲法が自由を保障する個人の信仰までただしては、さすがに一線を越えている気はする▼政府は宗教法人法に基づき、裁判所への解散命令請求を視野に入れているが、教団の法令違反を請求の根拠とし、信仰自体は問題にしない。解散を願うのなら、信教の自由を侵すとの反論を招く振る舞いは得策でなかろう▼絵踏は許されぬ現代。たとえ宗教が絡んでも、看過できぬ不正義があるならただすのに二の足を踏まなくていいが、薄氷を踏む時のような注意深さはいる。
 

 


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