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今日の筆洗

2023年05月11日 | Weblog

ウォルト・ディズニーが一九五五年、子ども向けのテレビ番組「ミッキーマウス・クラブ」を制作するに当たってスタッフにこう指導したそうだ。「子ども向けだからといって子どもをばかにしたようなものは作らんよ」▼子どもの人気者になるコツは子どもに真剣に向き合うことなのだろう。この方も、同じことを語っていた。「子どもだから、これくらいでいいだろうなんてたかをくくるとすぐに見破られます」。NHKの子ども番組「できるかな」の「ノッポさん」を演じた、高見のっぽさんが亡くなった。八十八歳▼前身の「なにしてあそぼう」を含めると放送期間は一九六六年から九〇年。高度成長期からバブル期の子どもの良き遊び仲間となり、何かを作ることの楽しさを教えてくれた。幼なじみを失った気分になる人もいるだろう▼子どもと同じ立場になれる人だったようだ。ある日のハンバーガーショップ。大声で泣く二歳ぐらいの女の子に手を焼くお父さんがいた。子どもを連れて出て行こうとするお父さんにのっぽさんが声を掛ける▼「泣き声は気にしないでいいよ。外に出るほどのことじゃない」。それよりもこうやってと、泣く子に話しかける。「あなたは何をお求めでしたか。ああ、お飲み物でしたか、失礼!」▼同じことをお父さんにやってもらった。ご著書によると女の子はぴたりと泣きやんだそうだ。