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今日の筆洗

2021年02月26日 | Weblog

 天台宗の開祖、最澄が残したありがたい言葉の中に、「道心の中に衣食(えじき)あり、衣食の中に道心なし」がある。仏道を究める心があって、その後に着物や食べ物は付いてくるもの、逆ではありません。いつの時代もいるのだろうが、衣食に気を取られて、大切な道を見失う人への戒めと受け取れよう▼衣食ならぬ飲食の中に、官と民の関係は存在していたようだ。そんな言葉があるかどうかは知らないが、「官僚の道」を見失っている人がかくも多いとは▼菅首相の長男が勤める会社から高額接待を受けた山田真貴子内閣広報官が陳謝した。同じ問題で、総務省は接待を受けた十一人の処分を決めた。農林水産省も鶏卵生産大手元代表に接待されたとして幹部六人を処分した▼綱紀か倫理か、緩みが同時に別の場所に現れているようにみえる。それにしても七万円超の接待とは、想像を超えている。会食で働き掛けはないと山田氏は説明したそうだが、その場だけの問題ではなかろう。そんな接待を受けて企業との関係が変わらないとは思えない。他の接待も解明が必要だろう▼山田氏は続投だそうだ。崩れた投手を引っ張り続ければ、試合はさらに壊れて、本人の傷も深くなる。立ち直ることもあるから、野球では続投の判断の難度は高いものらしい。首相の采配はどうだろう▼不祥事が多い。政権の指揮官の道は荒れているようだ。