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今日の筆洗

2017年11月01日 | Weblog

「ラバのように頑固」という慣用句が英語などにある。オスのロバとメスの馬の交雑種であるラバは丈夫で力が強いそうだが、慣用句通り、やや強情なところがあると聞く。イソップの寓話(ぐうわ)にもそんな性格が描かれる▼ラバとロバが主人の荷物を運んでいた。ロバが疲れ果て、ラバに少し自分の荷物を背負ってもらえないかと頼むが、ラバは応じない。ロバは死に、結果ラバはロバの背の荷物とロバの皮まで背負わされる。「少しの荷物を引き受けなかったばかりに…」▼記者出身のその政治家に政治の道の手ほどきをした伯父なる人物がインタビューで「彼はラバのように頑固だ」と語っていた。スペインのカタルーニャ自治州の独立問題のキーマンだったプチデモン州首相(54)のことである▼キーマンだったと過去形になる。中央政府による州首相解任、国家反逆罪などでの起訴。独立主導者のシナリオは完全に崩壊した▼独立の一心といえば聞こえは良い。が、残念ながら、問題はそのラバの頑固さではなかったか。憲法を振り切って独立の賛否を問う住民投票に踏み切った強引さは否めぬ。早期の独立のみにこだわり、中央政府との話し合いによって何らかの果実を引き出す巧みさも、国際社会に根回しを図っておく戦術もなかった▼いまやブリュッセルに身を寄せる。ラバに連れられて行った、かの地で、その人は何を思う。