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降って来るもの

写真と散文とぽえむ

関係を

2018-12-27 14:13:28 | 詩16

                  関係を


人との関りがなければ

繊細な神経など決して育たない

 恐らく

育ちようがないのだ

 勿論

培われる訳もない


一人を貫けば

 きっと

新鮮な感情は悉く死ぬ

そんな多勢が蔓延したとすれば

 きっと

情kokoroは死に絶える


僕はもちろん僕でなくなり

貴方はきっと貴方の体裁を失う

 あらゆる痛みはそこに派生し

 あまたの苦しみはそこから生まれる


それだから

一人が好きだなどと

 公言してはならぬ

自分の周囲を

自らの壁で閉ざしてはならぬ

外に向かって放たれる

 開かれた欲望こそが

関りのこの自他の世界を

 日々に更新してゆくのだ

 

何時でも情のパイプを解放し

 その通路を磨き

容量を増やし柔らかに保って

いつでも

廻りをよくしておくのだ


他人とココロを結べないと

どれ程に輝く夢も立派な想いも

 須らく

干乾びてゆく

萎んでゆく

固まってゆく

 それらは何時でも

個の深淵で滅んでゆくものだから・・


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誰かに

2018-12-27 13:48:55 | 詩16

            誰かに


誰かの為になどという

 大それた発想はないけれど

誰かの幸せを祈る程の

 度量もないけれど

誰かに好かれたいと悩むほどの

 思惑もないけれど


誰かの頬をそっと撫でたいという

 欲望は有る

計り知れないところで

誰かと結ばれていたいという

 願望はある

誰かの胸の耕地で芽吹きたいという

 微かな希望はある


誰かに知られたいという

 強烈な自我も無いけど

誰かと手を結びたいほどの

 沸騰する熱情もないけれど

誰かの想いに紛れ込みたい程の

 企みもないけれど


誰かの胸に在る音叉を

 密かに共鳴させたい夢は有る

誰かと好ましい接触を遂げたい

 些かの目的は有る

誰かに”同じく”と合鎚を打たれたい

 縁の糸を探す意味はある


何れにしても僕は

 関りを持つ誰かと生きて

如何しても僕は

 誰かに関わりを持たれて生きたいのだ

 

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心訓抄Ⅱ.65

2018-12-27 07:06:56 | 心訓抄.Ⅱ

                 65.幸運が


辿ってきた道のりが違えば

 当然のように

見てきた風景も異なる


味わってきた彼是が違えば

 味覚も

それぞれの固有になる


呼吸ikiする場所が違えば

 匂いも濃さも

澄み具合もまちまちに違いない


ひとりに一つの想いが有れば

一人にひとつの世界が有るのだ


何を比べても

そこに同じものは無いから

 ひとつに成りたいなどと

妄想は抱かないことだ


違うことを認めながら

お互いを寄り添わせてゆくしかない

同じには成れないと

 達観しながら

それぞれの色を

根気よく重ねてゆくしかない


もしかしたらその途次で

同じだと感じる色合いに

 出会う幸運が

紛れ込んでいるかもしれぬ

 そこに

仄かな満足が待っていてくれるかも知れぬ

コメント (2)
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