降って来るもの

写真と散文とぽえむ

変身

2018-12-09 17:31:25 | 詩16

         変身


直ぐに!起きて!書け!と

命令調の信号が鼓膜を震わせて

忽ち僕は

闇を穿って

誰かの意思のままに従属する


誰がどこから何の用件で

発信してくるのか

そこに僕の

どんなシステムが関わっているのか

どんな動機が

僕を意のままに操るのか


何もわからない

もしかしたら

知らないでいる方が

知ろうとしない方が

そんな不可解を一つ

抱えたままでいることの方が

僕の都合にマッチしているのかも知れない


ともあれ僕は

忽ちにして眠りから醒め

胎内を貫いてゆく電文を

文字に起こしてゆく

一人の

typewriterに変身する

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優しさを片時も

2018-12-09 05:54:51 | 詩16

             優しさを片時も


何時でも何処でも

優しさと一緒に居たい

ヒトそれぞれの感覚だから

定義はないけれど


時間の空洞や風物の隙間や

果て無い空海の茫洋にも

それを感じながらの

道行きで在りたい


それは多分

個人の資質だけれど

もしも

他人に求めるのだとしたら

きっと

先ずは自らがその様態でなければならぬ


万人に向かって

という訳じゃないけど

それは

例えば妻や子供や孫にでさえも

時として

難問ではある


どんな場合でも

あらゆる場面でも

TENDERで有り続けること・・


それを漂わせていたいけれど

もしかしたら

完全には成り得ない

完全では有り得ない

ヒトという生き物の

限界点を垣間見る旅かも知れぬ


由や

そうだとしても

イノチを極める旅の

一個のplatinumの道標として

片時も忘れず

それを掲げていたい


僕は誰にだって

誰とだって

優しい関係にくるまれて

佇んでいたいのだ

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心訓抄Ⅱ.54

2018-12-09 05:34:02 | 心訓抄.Ⅱ

           54.混迷の道程


今日と昨日と明日の癒着

束の間の現在と三世の融合

今と先刻の紙一重の混沌


何という無基盤の世界

混在する総てと記憶のvektor


何という不可解に在る

何という理不尽を踠く

何という無明のcosmosよ


生きるとは・・

斯くも混迷の道程をゆくこと

生きるとは・・

虚無の渦中に有無を証する旅や


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