前回の「日本のいちばん長い日」のあらすじで、青年将校が師団長を殺害して命令書を
偽造しクーデターの実行戦力を手に入れるという部分についてですが、このような成りす
まし行為全般に関し「背乗り(はいのり)」と称する事を知りました。と言っても最近で
は、特定の組織が構成員を潜伏させるため個人の日本国籍を乗っ取る行為が有名ですが。
元々は旧ソ連の情報機関によって行われたとWikipediaに書かれていますが、長期的な
スパイ活動の為にこのような手段が常態化していたと考えられます。「日本のいちばん長
い日」のようなごく短時間の場合は、こうは言わないのかもしれませんが、巧妙な詐称と
その為にオリジナルの本人を抹消してしまうという手口はそのものではないかと思います。
Wikipediaの記事の隅に、機動戦士ガンダムTHE ORIGINのシャア・アズナブルの出自が
背乗りであったことが描かれているとあります。原作の安彦良和氏はこれまで数多の歴史
長編漫画を描かれていたので、その辺りで得た知識が反映しているのでしょう。ファンの
側から疑問の声がないわけではありませんが、その辺りは物語の上のフィクションですか
ら僕は大目に見ています。
ネット上では成りすましに関して多くの被害例がありますが、いずれも短期間の物です。
いわゆる特殊詐欺等もこれに当たりますが、かなり強引でずさんな手法であることは否め
ません。目的が刹那的な詐欺行為である上に足が付きにくいので、何回でも再犯可能な事
が反復される理由でもあります。
実際の背乗りはもっと緻密で長期的に行われる慎重な犯罪で、大きな組織によるバック
アップが必要な事は準備の規模からいって想像がつきます。考えようによっては特殊詐欺
のような短期的な背乗りを大きな組織が行えば、非常に大きな効果が得られるのではない
かとも思えます。それはロシアがフェイクニュースなどで他国の世論をコントロールした
というニュースによく似ています。要は実物が目の前にあろうがなかろうが、詐欺的手段
は私たちの隣にいつもあるということでしょう。
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私の個人情報が反復して流されているかもしれない、という事をこれまで何度となくこ
のブログで書いてきた訳ですが、半年ごとにリセットがかかって直ぐに同じことが繰り返
されると言う注意喚起もしてきました。これが実際にどのような形態で行われて来たのか
情報提供が一切ないので私には判断が付きません。しかし長期的に行われている事、成り
すましによる詐称や詐欺に近いことが行われているらしいこと等から、これも一種の背乗
りなのではないかと言う疑念を持ち始めました。
果たしていかなる組織の元に行われているのかという謎もありますが、形態とその期間
(30年に及びます)から考えて個人のパーソナリティーを合法的に乗っ取る行為である
と思えるのです。
私自身がそれでも潰されないでいられるのは、年々新しい事を創造して自己のパーソナ
リティーを更新しているからであって、それこそが私の存在意義ではないかと考えていま
す。しかし、それならば毎年繰り返されるパーソナリティーの背乗りに対して何らかの規
制や取り締まり、あるいは情報提供があっても良いと思うのです。
実質的な損害がないと言っても、私の人生が受ける損害は甚大で取り返しがつきません。
また、そのような前例が存在し続ければ大っぴらに模倣する背乗り犯も出て来るでしょう。
幸いにして私は創造性と言うものを持って生まれたわけですが、一般の方々がそうした犯
罪にさらされれば取り返しがつかない打撃を受けるのではないかと思えます。
苦労して事業を起こしたり著作や新案を残したとしても、背乗りや成りすましが横行す
れば社会は犯罪を何とも思わない輩の思うがままになってしまいます。
なお正式な意味での背乗りは「書類上は合法で改変なしに本人と入れ替わる事」だそう
ですが、ネット上では個人を特定する情報等を公開できないので、個人を示すパーソナリ
ティーを事細かに模倣して本人と入れ替わる事がこれに当たると私は考えています。