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AI作画について 3

2023-04-23 20:43:44 | 同人誌
   

 先ごろ欧州がAI関連の規制に関して具体案を発表し、2024年をめどに実行すると発表
しました。一方、日本では地方自治体がchatGPIの導入について発表し、それらの文章
生成物は表に出ない旨を表明しました。
 AIの発達に関しては、あるレベルが達成されてからの社会への浸透が急激に進行し、
二次元画像の著作権の問題が論議を呼んでいます。中国のゲーム業界ではAI作画が手描
きの絵を駆逐し始めたと言われます。この辺りは各々の国による著作権や文化への考え
方が表れている様です。

    

 欧州は文化の発信地であり、アメリカは欧州に習い日本はアメリカのサブカルチャー
に習うような風潮があります。文化の多様化の時代となり日本はその様な流れから脱却
しつつあるのも事実ですが、国力の衰えから欧米の先進国に習い後塵を拝す傾向からは
抜け出ることが出来ていません。したがって欧州のAI関連への規制は遅かれ早かれ日本
へ影響をもたらす事は必然となるでしょう。
 一方で中国の対応はそれとは対極的です。以前も書きましたが、共産主義的な考え方
では現物が存在し効力を発揮する事に意義を見出し、それは国防軍事分野では顕著です。
中国は90年代以降、国策で漫画・アニメ等のサブカルチャーを推進しましたが、それは
経済や情報と同列に文化を捉えているからです。AIが効率的に生成物を作り得るならば、
それが上記の考え方から推進すべきという考え方に至るのも無理からぬ事と思えます。

   

 この二つの考え方は、イデオロギーによってAIへの対応が変わってくる事実を示して
いる様に思えます。そして日本は二つのイデオロギーを所々取り入れて独自の社会構造
を作ってきました。良い加減だったのか適当だったのか、いずれにしても極東の小国が
文化的に特異で独自な位置を占めているのも事実です。
 私には、今後の日本のAIに対する方針が迷走するように思えます。そして何かの外圧
で急激な舵取りをすると言う歴史的な動きをトレースするのではないかと考えています。
それは日本に良くも悪くも統一された価値基準がないという点と、経済大国としての立
場上他国との関係を無視できない事から、主たる付き合い先に右へならえせざるを得な
いからです。主たる付き合い先とは欧米の事です。
 ロシアのウクライナ侵攻以来、日本の欧米への接近はますます進んでおり、欧米各国
は中国の締め出しを進めつつあります。日本がAIに対する独自で強力な評価ができない
以上は、欧米に少し遅れて追従するというのが順当な予想でしょう。問題となるのは、
その時期です。対応が遅ければ遅いほど混乱をきたす事は目に見えています。その間も
AIは発展し、人間の能力を超えるシンギュラリティが間近かに迫っているのです。

   

 よくAI規制に関しては科学の発展への逆行の様にいう向きがありますが、それは違う
と思います。社会への影響が大きい技術であればあるほど、そのガイドラインが必要で
あり、悪用と暴走を抑制するのは時代の必然ではないかと思えます。勿論、どういう規
制であれ定期的に見直す機会を設けなければならない事は言うまでもないのですが。

    


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