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TPP交渉における著作権侵害の非申告罪化について

2015-02-15 20:32:54 | このブログについて
 今週発表されたニュースは、同人界のみならず著作によって成り立っている業界に少な
からず影響を与えました。著作権侵害罪の非申告罪化とは、著作者が著作権を侵害された
時、自らが告訴しなくても検察などの他者が裁判所に提訴できると言うものです。
 このような流れは特許権では既に平成10年になされていると言います。TPP交渉とは
関係なく日本も知的所有権について本腰を入れて取り掛かる時に来たということでしょう。

 さて、親告罪という表現については私もかねがね各方面から聞かされてきました。
私の著作権の侵害に対して、相手を特定できないために情報提供を呼びかけると言うことを
このブログで続けてきたわけですが、それも結局は何の収穫もなく今日に至ります。
 親告罪に関しては、私から相手を特定し証拠を集めて告訴すると言う手順が必要です。
しかし相手がグループを組んで組織的な証拠隠滅等をした場合、こちらから特定を行う事は
非常に困難になります。
 非親告罪化となれば、第三者がこれを代わりに行うことが可能になります。これは一見、
著作権を侵害する側にとって取り締まりにあう危険性の増加を意味します。しかし他方で、
私の意向を抜きに第三者が私の著作権に関して使用許諾の意向と関わりなく、提訴する権利
を行使しかねないと言う危険性もあります。

 私自身、漫画やアニメと言った業界が人材育成の整備が整わない時代から、他人の模倣や
模写をしたり独自の勉強をして絵を描く技術を身に付けてきました。80年代くらいはまだ
絵で身を立てようとしている漫画家が大家の画風をパクっても多めに見られた時代でもあり
ました。現実的に言って、何の保証もない時代に絵を描いて食ってゆくための目こぼしが
あって当然であったと思います。
 しかしアニメや漫画が国際的に評価されて巨額の利益を上げるようになり、ネット等で
個人が気軽に創作物を大量に発信できるようになると、そうした小規模の権利侵害と言えど
も目をつぶってもいられなくなったという実情があります。
 今まで、創作の世界の「しきたり」のように暗黙の了解とされてきた模倣やアイディアの
盗用に関して、許諾という手順を踏む時期に来たということでしょう。

 これに関して今まで私は、「同人誌等で私の絵を見た方に模倣されるのは嬉しい」という
態度でいました。しかし、もし著作権侵害の非申告罪化が成立した場合、黙認と言う形は
通らなくなります。第三者が勝手に私の支持者を提訴すると言う事態もありうるわけです。
 そこでこれからは下記の通り、私の態度を改めようと思います。


                 記

 1  私の著作やアイディア等を引用したり使用・模倣したりする方は、私に連絡を取り
   許諾の是非をただして下さい。その都度ご返答いたします。これは過去に引用・使用
   模倣した例も含みます。

 2  1の手順を踏まずに私の著作・アイディア等を引用・使用・模倣を行い、第三者から
   提訴や責任の追及をされても、私は責任を負いかねます。擁護等もできかねます。

                         以上よろしくお願いいたします。

 なお、上記はTPP交渉等の進展とは関わりなく実行するものです。
 文面は法律や法令の文法に沿った形に書き換える場合がありますが、趣旨は変わらない
とお考え下さい。