【上海=小高航】中国の物流大手、中通快逓(ZTOエクスプレス、上海市)は27日、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場した。調達額は約14億ドル(約1500億円)で、同取引所における新規株式公開(IPO)で今年最大となった。中国ではネット通販の普及で小包などの宅配需要が急増している。
中通快逓はNYSEに米預託証券(ADR)を上場させた。初日の終値は16.57ドルと、公募・売り出し価格を約15%下回った。調査会社ディールロジックによると、中国企業のIPOでは2014年にネット通販大手のアリババ集団(浙江省)が約250億ドルを調達して以来の規模となる。
米メディアによると、創業者の頼梅松・会長兼最高経営責任者(CEO)の持ち株比率は28%だが、議決権の約8割を握る構造となる。
民営企業の中通快逓は02年設立で、ネット通販の普及に伴い業容を広げた。国内約2万3千の配送拠点を構える。15年12月期決算は売上高が前年比57%増の61億元(約900億円)、純利益が同3倍の13億元だった。
中国のネット通販市場は16年に5兆元を超える見通しで、宅配需要は増加が見込まれる。米証券取引委員会(SEC)に提出した目論見書によると15年の取扱荷物の77%がアリババのネット通販に関連したものだった。アリババへの依存度軽減が課題となりそうだ。