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千代田化工、シンガポール企業の合弁、イマスチヨダサブシー、インドのラーセン&トウブロと共同でサウジアラムコから海底ガス田増設受注、

2016年07月23日 16時44分45秒 | thinklive

千代田化工建設はシンガポールの海洋開発会社などと共同で、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコからペルシャ湾の海底ガス田工事を受注した。受注額は16億ドル(約1700億円)。千代田化工は強みとする陸上のLNGプラント以外の収益源開拓が課題となっており、今回の受注をテコに海底資源工事を新たな柱の一つに育てる。

 シンガポールのエズラ・ホールディングスと3月に設立した合弁会社「イマス・チヨダ・サブシー」が、インドのエンジニアリング会社ラーセン・アンド・トゥブロと共同で受注した。合弁として初の大型受注で、ペルシャ湾でも初めての案件となる。

 受注したのはペルシャ湾のハスバ天然ガス田の生産能力を2倍にする工事。17年に据え付け工事を開始し、20年ごろの完成を見込む。日量25億立方フィートを追加生産する。

 千代田化工などは海底パイプラインや海底ケーブル、洋上設備などの設計・調達・据え付け工事を手掛ける。陸上にある既存のガス処理プラントに接続して天然ガス火力発電所の燃料にする。サウジアラビアは人口の急増に伴い電力需要が拡大しており、政府が発電能力の強化を急いでいる。

 イマス社には日本郵船も今秋に出資する予定。郵船の資本参加で新たな出資比率はエズラ40%、千代田化工35%、郵船25%と日本勢が過半を占めることになる。

 世界の海底資源工事の分野では、仏テクニップと英サブシー7の2強が先行している。イマス社は規模では劣るが、特殊な海底工事船を9隻運用しており、水深3千メートル級の工事も可能だ。

 一方、千代田化工は陸上のLNGプラントで世界4強の一角を占め、中東の国営石油会社から多くの受注実績がある。今回の受注もこの営業力を生かしており、20年にはイマス社の売上高を15年比2倍の20億ドル(約2100億円)に引き上げる。

 海底資源開発は原油・ガス価格の低迷傾向で新規の大型案件は少ない。ただ、既存の油田やガス田の増産や設備の更新投資は生産を続けるために必要。今後も継続的に生まれる関連案件を獲得していく方針


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