カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

堂島精肉店

2013年04月24日 | 大阪
「場違いな、人々。」

何故?どうしてワレワレは、そろそろ日付も変わろうかというこんな時間に、ネオン輝くこんな場処で、不可解にも、たらふく肉を喰らっているのだろうか?そんな気にさせられる、奇妙な状況ではある。

何故?どうして精肉店の台所、其のまな板の上で、ワレワレはチープな発泡スチロールのトレイに載せられた高級牛肉、シャトーブリアンを食しているのか?其の事実に関してまったく否定的な心持ちなど抱いてはいないものの、それでもやはり、其の風情は信じ難い。

諸々の所要を抱え、久し振りに出掛けて来た堂島界隈からの帰り道、期待せず、通り掛かりに覗いてみた此の人気店で、今なら何とか席が確保できると其の店員に告げられたのなら、其れはやはり、こんな時だからこそ思い切り食べておけという何処かからのお告げに違いない、そう考えて、ちょっと思い切りよく通した注文は、きっと少々舞い上がっていたのだろう、到底二人前とは言い難い、そんな容赦ない量の肉塊であり、しかも、其れ以外の料理、其の焼きソバとフライド・ポテトのボリュームというのも、実際のところ少々割高なのだろうと高を括っていた其の価格に実は見合ったもので、正直、半端ない。

何やら得体の知れぬ中近東辺りのポップ・ソングの流れる其の厨房で、何事があったのか、真っ赤な顔で泣き腫らしたうら若き女性、三人組を隣にして、ワレワレは自らの注文にケリをつけようと、必死に其の肉塊を胃袋に掻き込むことに集中する。

何とか其のおおよそを平らげ、辺りの状況をやっと落ち着いて確認してみると、得体が知れないと思われた其の音楽というのは、実際のところ、無難に流れるありふれたヒップ・ホップのBGMと、店内に設置されたテレビで放送中であった懐メロ演歌の合成された音響であった。

件の泣き腫らした三人組の会話というのは、帰り道、後々聞くところによると、やはり恋愛に関するものであったらしい、其れを、流石に北新地らしいなどと安易に納得してしまうのは、やはり何か、あまりに偏った個人的見識に過ぎないのだろうか。

いや、きっと、そんなことはない、此処は実際、テント張りの立ち飲みのようではあるけれど、其れでも其の立地は紛れもなく北新地なのであって、滅多矢鱈とたらふく肉を喰らいに来るようなところなどでは勿論なく、件の彼女らのように、泣きながら、笑いながら、恋愛に関する打ち明け話をしに来るべきところであるに違いない、おそらくは、そうなのだろう。

堂島精肉店居酒屋 / 北新地駅西梅田駅東梅田駅
夜総合点★★★★ 4.0



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