カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

アラベスク珈琲舎

2016年10月29日 | 滋賀
「博物館の、帰り路。」

暫く前に此の世に出でて、いよいよ何でも一人前に食べるようになってきた、そんな印象の連れ合いがいつも共にいるせいか、出先でスイーツを注文したとしても、味見程度にしか賞味することが出来ない、近頃そのような気がしている。

そもそも常々甘味が大好物という訳でもないのだから、其れが何であれ独り占めするつもりなど毛頭ないのではあるけれど、一応一口程度で己が気持ちは満足していたとしても、其のような実際ではちょっと感想を述べることすら憚られるような、ちょっとそんな気がしないでもない。

ところが、こちらのフレンチトーストに関しては、もし何人かでシェアしたとしても、其のような心配など全くの無用、其のボリュームたるやお値段以上、巷の所謂フレンチトーストとは似て非なるものではあるけれど、だからといってあえて不満を抱くような輩など、おそらくは皆無であろうと思われる、其の出来である。

一見して満足感を覚える盛り付けに、盛り沢山の味覚、最後まで美味しく戴ける其のバランスに、二才をいくらか過ぎた我が子と家族三人で舌鼓を打ち、小さな其の店で大きな満足感を抱いて皆で其の日の楽しみを終わりにすることが出来たのも、ひとえに此の御店をご紹介いただいた、りさっちレビュアーのお陰です!ありがとう!ありがとう!

アラベスク珈琲舎カフェ / 南草津駅

昼総合点★★★★ 4.0


くつきそば 永昌庵

2011年12月23日 | 滋賀
「むかしむかし、あるところに。」

面白半分というのではなく、普通に戴ける範疇では、極太であると言っていい、
そんな類いのこの蕎麦には、まるで昔話のワンシーンで戴いているような、
そんな気のする素朴な豪快さがある。

さらに言うならば、そこまで非現実的な状況をイメージしなくとも、
夏場、この閉じた隠れ里の、意外なほどに開けた河原で、
昼間、存分にはしゃぎ、遊び、そして陽の傾いたその後で、
何の遠慮もなく、空きっ腹にわしわしとかき込むには、
野太く、野趣溢れるこの蕎麦ならば、きっと何の不足もない、
そう思わせる風情が、この蕎麦にはある。

実際には、既に肌寒い季節になってから、
既に陽も傾いた時間帯、黄昏時に訪れたゆえに、
とち餅の載った温かい蕎麦を戴いてもみたのだが、
それもまた、昔話のワンシーンを思い起こさずにはいられない、
そんな朴訥で素朴な味わいで、
経験したことのない、しかし、誰しもの心の中にある郷愁を誘う、
そんな温かみのある風情であった。

所用の帰り道、急ぎ足で通りすがった、限られた時間の中で、
後ろ髪引かれる思いで通り過ぎた、その地の心象風景というのは、
その蕎麦と、餅と、広い河原のもたらす印象によって、
微かな記憶ながら、まるで夢の中での風景のような、
そんな懐かしげな残像を、今も心の片隅に残している。

くつきそば 永昌庵そば(蕎麦) / 高島市その他)
夜総合点★★★☆☆ 3.5