カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

マダム紅蘭

2014年02月19日 | 京都
「ほっこり、中華。」

伝統的であるものにも、そうでないものにも、良きものと、そうでないものがあって、そう名乗るからには常に伝統的でなくてはならないなどという思い込みこそ、世の弊害であり、勿論のこと、個人の見識としても不恰好この上ないものである。

だから、実際、四川風とも広東風ともつかない、此の京風とさえ言い得る、淡い味わいの中華料理は、何の言い訳をする必要もなく、ただ美味しい、そんな好きもののひとつであると言っていい。

そもそもが、美味しいものを作るにはどのように調理すればよいのかという指針として、伝統的な技術や知識が積み重ねられてきた、ただ其れだけのことなのであって、伝統を守らんが為にのみ、其の業を伝えようとする所業というのは、まさに本末転倒、其のものでしかない。

だがしかし、だからといって、時の風潮や客の求める味わい、そしてコスト、其の示唆によってのみ、其の店の味わいを変化させて行くというのでは、あまりに節操がなく、軽薄である。

つまり、ひとえに其の表現の拠り処とすべきなのは、其の料理人の味覚、センス、其れのみが必要最低限の資質なのであり、あとは、其の料理を食べに来る人をほっこりさせてあげたいと願う気持ち、其の用意があれば尚好く、実は其処には、取り立てて薀蓄など必要はない、実際、此処は、其のような類の善き料理店であることが、ひしひしと感じられるのである。

マダム紅蘭中華料理 / 神宮丸太町駅丸太町駅(京都市営)京都市役所前駅
昼総合点★★★★ 4.0


トラットリア ラ フォンテ

2014年02月13日 | 京都
「円く、大きな、食卓。」

イタリアンとしては非常に上品な佇まいに感じられる其の店舗、其の内装の設えは、シンプルであるという以上に、シックであると表現して差し支えないだろう。

そして、これ見よがしではないにもかかわらず、其の主張を微かに感じさせる其れらの料理の味わいは、わからぬ人の気に障るようなことは決してなく、しかし其れでも、其の機微を感じ取れる人には其れとわかる、そんな個性をほのかに感じさせるものである。

所謂、イタリアンらしく、見るからに、こってりと、食べる人を選ぶような料理とはちょっと違う、おそらくは、其れが果たして何に類するものなのか、そんな知識や経験のない者が味わったとしてさえも、素直に美味しいと感じられる、そう思ってもらえることを何より願いつつ、きっと此れらの料理は細心の注意を払って、ピン・ポイント的に調理されている。

風味や盛り付けにもっと突出したところがないと、ちょっと物足りないなどというようなことは、だから此処を訪れては言うなかれ、そんな的外れで自己中心的な感想を抱くより、用意された心配りを素直に受け入れられることの方が、此処では余程美しい在り方であるに違いない。

路の向かいが、とある大きな病院だからなのだろうか、皆でわいわいがやがやと楽しく騒ぐ処というよりは、誰もが其の味、其の雰囲気にしっとり癒されに来る処であるように感じられる、此処はそんなやさしい料理店なのだろう。

トラットリア ラ フォンテイタリアン / 樟葉駅
昼総合点★★★★ 4.0