カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

IKEAレストラン

2012年10月21日 | 兵庫
「コントロール、サレテイル。」

イケアからの提案、それは、正しくその意味を受け取れる者にとっては既に提案ではなく強制ですらある、そのように感じられる。

現代人としての合理性をその精神の内に有する者でありながらにして、この清潔感に満ちた、無闇に明るい雰囲気をもたらす、ファッショナブルで安価な品々を前にして、それでも喜んで購入しない人というのは、きっと馬鹿である、そのように言われているように感じるのは、あながち間違いではあるまい。

だが実際のところ、そんな雰囲気に呑まれてしまい、あらゆる身の回り品を画一的にイケア化してしまうことと、それはちょっと・・・と思いとどまること、どちらが正常で、どちらが馬鹿なのか、それは現代人にとっては、究極の命題であると言って過言ではない・・・かも知れない。

兎も角、建物内でその指示に従うならば、否も応もなく予め決められている買い物ルートの最後に出現する、矢鱈に開けた広く明るいカフェで、ケーキをひとつと板チョコを二枚、そしてドリンクを二杯所望すると、何とその支払合計金額は三百円にも満たないという。

あまりにも不自然なこの価格、その理由というのは、実は会員登録した者に関しては、平日のドリンク呑み放題が無料であることによる。

こんなささやかな代金で、厚かましくも気兼ねなく、寛いでいていいものなのかと、ちょっと不安になるような、そんな値段。
只より高い物はナシ、そんなコトバが脳裏に浮かぶ。

其処でドリンクを只にしてもらったその代わり、何か別の物を買って、イケアに対し、借りを返すのが当然のことのように思われてくる。
そんな状況でありながら、それでも何も買わずにおくということに、凡人の心はちょっと耐えることが出来ない。

そう思うのであるが、それはひょっとしてお人好しに過ぎるのであろうか・・・否か。

IKEAレストラン ポートアイランド店 (西洋各国料理(その他) / 南公園駅中埠頭駅市民広場駅


あなご亭まるおか

2012年10月08日 | 兵庫
「白い、あなご。」

穴子、その魚がこれ程に自分にとって特別なものだと知ったのは、何を隠そう実はここ近年のことでしかなく、だから、偶に聞く蒸し穴子なるものを、実際、自分が食べたことがあるのかないのか、それすらもわからない体たらくであったというのが、恥ずかしながら正直なところで、つまりそれは、此処、穴子の専門店である、あなご亭まるおかに至って、やっとのことで、そのもやもやした個人的認識を払拭し、しかも期待していた以上の念願を達成した、そう言っていい真の蒸し穴子を戴けたと、それが事実であることに間違いはございません。

これまでの、肉食ばかりの人生からまるで何かを取り戻すかのように、近年、殊に魚料理、その諸々に興味を抱かされることとなり、あまりにも世間的評価の高い、のどぐろなる魚なども、稀に機会があれば戴いてみたりもしたのではあるが、正直、淡白過ぎて、あえて魚を食べている、そんな気さえしないというのが率直な感想で、むしろそのような高級魚に無理をしてまで手を出さずとも、淡白ではあるが、好い意味で、少々そこはかとなく泥臭さのあるように感じられる穴子の方が、実際、自分にとってジャストな味覚であったのだという、そんな単純な認識にまで何とか辿り着いたと、そういうワケである。

そしてしかし、同類に思えなくもない鰻の調理法にも、蒸しと焼きがあるように、よくある焼いたものだけではなく、蒸した穴子というのも世の中には存在するのだとは聞き及びつつ、しかしやはり、これまでは焼いたものしか食したことがなかったワケである、今この時までは。

そしていよいよ、念願の蒸し穴子を戴いてみて、これは誰しもに褒められること、然もありなんと、何の抵抗もなくそう賞賛出来る、そんな料理に納得させられたワケである、此処、穴子の専門店、まるおかにおいて。

勿論それは、この御店が自前の生け簀を所有されるが故の新鮮な穴子であるから、単にそうであるのかも知れず、幾らか知るように、当然のこと、穴子なら何でもいい、何処の店でも同じであるというような安易なことではなかろうという実際は、言うまでもない。

ともすれば、その名称、そしてグロテスクといって過言ではないその容姿から、何か触れてはいけないもののような取っ付き難さ、そして更には、何処か卑猥なイメージさえ抱かせる存在ですらあるものの、だからこそ、むしろこれまで魚料理に興味がなかった、そういう人にこそあえてお奨めしたい、そう思わせるのが、この穴子という魚、その存在なのである。

あなご亭まるおか魚介・海鮮料理 / 中央市場前駅和田岬駅
昼総合点★★★★ 4.5