カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

中島大祥堂 丹波本店

2017年10月10日 | 兵庫
「女性的、なるもの。」

ちらと見渡す限り、其処に男性の姿はない。客も給仕も、炎の見える熱い窯でピザを焼く料理人さえも、店内に存在する其のすべてが、まさに女性的なものばかり。楚々とした空気の中で立ち働く彼女らは、一種、森の小人たちのように感じられなくもない。健気に客に奉仕することを自らの喜びとし、其の勤勉さは絶え間なく、訪れた客が子連れと見るや、偽りのない笑顔で以て其の子らを迎え入れてくれる。

だが、其の雰囲気による先入観、そして一見した印象によって、かなりのヘルシー志向、つまり薄味であろうことを覚悟していた料理そのもののお味はといえば、意外にもしっかりとしたアクセントのある、不足のない味付け。所謂、線が細いばかりの女性の仕事かと思いきや、実は、実際的な田舎のお母さんがこしらえてくれた、ふくよかな旨みを内包した料理に感じられたのは、彼女らの幼子に接する柔和な笑顔によって、幾分かバイアスのかかった味わいであったのだろうか。

此処、兵庫の中部、柏原なる土地を、有体に僻地と呼ぶべきなのか、あえて地方都市と呼ぶべきなのか、其処のところは実際わからないのではあるけれど、少なくとも幾らか労して遠方から来るような者にとっては、むしろ好い意味での田舎であり続けてもらいたい、其のように感じた次第である。

中島大祥堂 丹波本店カフェ / 柏原駅

昼総合点★★★★ 4.0