「ひとり、戦う。」
陽も落ちた夕刻、再び前を通りかかると、既に開店予定の時刻は過ぎているであろうその店内に、しかし明りは灯っていない。
その日の昼間、覗いてみると、意外にもめずらしく、この人気店ですんなりと昼食を摂れそうな、そんなタイミングだったようで、それではと入店し、しかしその後は次々と表の列に連なる客の姿が、メニュウ看板の仕舞われてしまうまで途切れることのなかった、そんな風景とはおよそかけ離れた、その夜の静けさ。
当店のディナー・システムというのが、いくら完全予約制であるとはいえ、ひとりの客もいない、その陰気としか言い様のない風情は、昼間の賑わいを思うとやはり寂しいものだ。
今は薄暗い店内の奥、独りその厨房で明日のランチ、その仕込みを黙々とこなしているのであろうシェフの心持ち、それは決して晴れやかなものではないだろう。
その本領を発揮する場である筈のディナー、その営業時間帯に明日の昼に提供することになる25食程度×850円の下拵えをする。
実際そのランチにおける味わいの濃さ、そして塩の利き具合、その辺りに現れている何事かに、その料理人の内心抱く自信、そして言い様のない鬱憤を感じてしまう、それは果たして気のせいなのだろうか。
毎日々々サービス価格で提供されているそのメニュウ、同じ調理の繰り返しで、きっと本当に作りたいと思っている料理、やりたい仕事とはかけ離れた作業をその料理人は日々強いられていることだろう。
思うに、このままでいい筈はない。
一度訪れただけでそんなことを言うのもおこがましいのではあるけれど、だがあえて言いたい、このシェフは世間との戦い方をそろそろ考え直すべき時だと思う。
いつか、その努力が報われますように。
陽も落ちた夕刻、再び前を通りかかると、既に開店予定の時刻は過ぎているであろうその店内に、しかし明りは灯っていない。
その日の昼間、覗いてみると、意外にもめずらしく、この人気店ですんなりと昼食を摂れそうな、そんなタイミングだったようで、それではと入店し、しかしその後は次々と表の列に連なる客の姿が、メニュウ看板の仕舞われてしまうまで途切れることのなかった、そんな風景とはおよそかけ離れた、その夜の静けさ。
当店のディナー・システムというのが、いくら完全予約制であるとはいえ、ひとりの客もいない、その陰気としか言い様のない風情は、昼間の賑わいを思うとやはり寂しいものだ。
今は薄暗い店内の奥、独りその厨房で明日のランチ、その仕込みを黙々とこなしているのであろうシェフの心持ち、それは決して晴れやかなものではないだろう。
その本領を発揮する場である筈のディナー、その営業時間帯に明日の昼に提供することになる25食程度×850円の下拵えをする。
実際そのランチにおける味わいの濃さ、そして塩の利き具合、その辺りに現れている何事かに、その料理人の内心抱く自信、そして言い様のない鬱憤を感じてしまう、それは果たして気のせいなのだろうか。
毎日々々サービス価格で提供されているそのメニュウ、同じ調理の繰り返しで、きっと本当に作りたいと思っている料理、やりたい仕事とはかけ離れた作業をその料理人は日々強いられていることだろう。
思うに、このままでいい筈はない。
一度訪れただけでそんなことを言うのもおこがましいのではあるけれど、だがあえて言いたい、このシェフは世間との戦い方をそろそろ考え直すべき時だと思う。
いつか、その努力が報われますように。
ダン ル シエル (フレンチ / 大阪城北詰駅、大阪ビジネスパーク駅、天満橋駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0
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