カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

六盛 スフレ・カフェコーナー茶庭

2017年03月25日 | 京都
「キタイ/期待/気体」。


薄暗い洞窟のようだ、だが狭くはない、むしろ居心地の好い奥行きを感じさせる、そんな待合室の其処此処にて、深くソファに腰かけ息を潜める者の数は、ざっと二十はくだらない、おそらくはそれ以上だろう、なんとも妙な雰囲気で、むしろ此の穴蔵で寛ぐ其のことこそを目当てとして、わざわざ此の地を訪れたかのようでさえある。

年齢層はといえば、およそうら若く、男女の比率はといえば、やはり甘味を求める処の常にして、其のおよそが女性、男性はその連れ添いがほとんどであるかのように窺われる。

観光地を訪れた其のついで、そんなつもりで立ち寄った昨今話題の変わり種カフェ。

とはいえ、一休みせんがためだけのこんな場処でこんなに時間を取られ、足止めを食らってもよいものなのか、旅先では寸暇も惜しんであちこちを歩き回る習性のある己が質のことを鑑みると、このように悠長に寛ぐ彼らの状態を見るにつけ、他に観るべき処は此の京都にないのかと、正直やきもきしてしまうのではあるけれど、実は観光などというものは、あくせく足を棒にして歩き回るようなものではなく、むしろ本来、無駄に時間を持て余すくらいに余裕を持つべきものなのかも知れないと、思い直さないでもない。

果たして、各々が各々の思惑を抱きつつ、相当に長い時間待たされて、いよいよ提供されることとなったスフレなる代物はといえば、カップからはみ出して丸く膨れた、気球のような見栄えのケーキ、そしてやはり、気球のように中は空洞、其の真ん中に、意を決して、スプーンにてぽかりと穴を開けると、其処から湯気のように、其の瞬間まで抱いていた「キタイ/期待/気体」がふわりと漂って行ってしまった、其のような気がしないでもなかった。

六盛 スフレ・カフェコーナー茶庭洋菓子(その他) / 東山駅神宮丸太町駅三条京阪駅
昼総合点-