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カンテレ制作ドラマ『春になったら』の感想。悔いなく人生を終えるには。(ときめき研究家)

2024-03-27 19:50:53 | ときめき研究家
この春は観るべきドラマが多かったが、特に木梨憲武と奈緒主演の『春になったら』は身につまされた。
膵臓がんで余命3か月の宣告を受けた父(木梨)と、3か月後に結婚すると宣言した娘(奈緒)の3か月間を描いたハートフルなドラマ。派手な事件や驚きの展開などはないが、周囲の人達もいい人ばかりで見ていて気持ちいいドラマだった。
余命宣告を受けた父は「死ぬまでにやりたいことリスト」を作成し、その1つ1つを実現していく。そのやり方に共感した。私も、三連休などには「3日間にやることリスト」を作って過ごすことが常で、充実した時間を過ごすために合理的な方法だと思っている。逆に、何の予定も立てずにだらだらと過ごす休日も、それはそれでいいものだが、3日以上のまとまった休みだとそれではもったいない気がしてしまう。
ドラマの父は、余命宣告を受けて残された時間が可視化されたので、リストを作って少しでも充実して過ごそうとするのは当然の心理だろう。生きているうちにやりたいと思っていたことをやれずに死ぬのは心残りだ。突然死ではなく、予告された死だからそういうこともできる。自分の死までの時間を、ある程度自分で計画的に過ごすことができるのは不幸中の幸いだ。私でもそうすると思う。彼の最後の日までの過ごし方を、自分自身に重ねて、応援するような気持で観ていた。
一方で、娘は、リストが1つずつ消し込まれていくと、父の死が近づくようで悲しいというような話をしていた。その心理もわからないではないが、もしリストをすべて消し込んでしまえたら、また新たにやることを追加すればいいだけだ。

余命宣告こそ受けていないが、私も還暦を過ぎて、人生の残り時間を意識するようになってきた。同世代の知人や芸能人などの訃報を耳にすることも増えた。50歳くらいまでは「人生100年時代だからまだ半分」などとうそぶいていたが、さすがにもう気づかないふりはできなくなった。人生には限りがあるのだ。会社生活も一区切りを迎え、体調面でも小さな変調が続いた。そのうえ柏木由紀の卒業はAKB48鑑賞の節目となった。何事も永遠には続かない。私は残りの人生をどう生きるか、真剣に考えるようになった。
そんな中で、昔読んで良かった本をもう一度読み直すことを増やしている。もちろん新しい本も読むが、新旧の比率は半々くらいになっている。新しい本は、全く新しい発見や感動を味わえる場合もあるが、外れもありうる。いわばハイリスク・ハイリターン。再読のメリットは、昔読んで自分が良いと思ったのだから今回も楽しめる可能性が高いこと。加えて、昔とは違う発見や感動を味わえることも多いのだ。ローリスク・ミドルリターン、いやローリスク・ハイリターンと言っていいだろう。
本の再読と同様、音楽も昔の曲を聴く割合が増えてきた。AKBグループ、坂道グループの新曲もフォローしているが、カップリング曲までは手が回らなくなって来た。カップリング曲の中に、私の気に入る曲(例えば『Maxとき315号』や『君と僕と洗濯物』や『飛行機雲ができる理由』のような)がきっとあることは予想できるが、その確率が下がっている気がしてならないのだ。それよりは昔の楽曲、70年代や80年代のアイドル、それからAKBや坂道の昔の楽曲の中で好きだった曲を聴くほうが、高確率で感動できることに気づいてしまったのだ。限られた時間を充実して過ごすには、このような取捨選択も必要だ。
この感覚は受験勉強に似ている。まだ試験まで時間がある時は、新しい参考書や問題集を買って、どんどん知識を増やしていくことが有効だ。しかし、試験が迫ってくると、新しい参考書や問題集に手を出すより、既に持っている問題集をもう一度解いたり、間違った所だけ復習したりする方が効果的だ。遠い昔、受験生の頃の記憶を辿ればそうだったと思う。少なくとも私はそうだった。
別の例で、美味しいランチを求めて職場周辺の飲食店を開拓するとしよう。新しい店を開拓する日と、一度開拓して美味しかった店を再訪する日と、組み合わせながら今日はどこに行こうか決めるだろう。毎日新規開拓ばかりだと、外れの日もあるだろう。一方で同じ店ばかり高頻度で行けば飽きても来るだろう。どちらを重視するかはその人の性格や人生観によるだろうが、私はある程度のローテーションが確立したら新規開拓のペースは緩めて、好みの店を再訪する日を増やすのが好きだ。その方が、結果としてランチの満足度の総量が増えると思うのだ。ましてや、来月には転勤が決まったような場合は、誰もが新規開拓などせず過去に美味しかった店をなるべく訪れるはずだ。
受験や転勤と違って死期は明確ではない。もしかしたら私は100歳まで生きることになり、今から復習中心の生活にシフトするのは早すぎるのかもしれない。逆に、残された時間はあと数年しかない可能性もある。そういう不透明な中、新規開拓と復習のバランスを取りながら、「ときめき」の総量が最大になるように、私は生きていく。

辛気臭い話になってしまい申し訳ない。
ドラマの話に戻ると、元日向坂46の影山優佳が、奈緒の職場である助産院の同僚として出演していた。眼鏡をかけて髪を括っていたが、新人助産婦らしく初々しい演技だった。クイズが得意で、サッカーの造詣も深い。加えて演技もそつなくこなすとなれば、今後も多方面で活躍が期待できると思った。
奈緒の演技は言うまでもなく絶品。しっかり者で情に熱い、理想の娘を演じていた。一つ一つの表情が自然だけど、生き生きと感情を表現している。これまでの出演作でも上手いと感じていたが、今回の主演作で本領を充分に発揮していた。父娘2人きりの暮らしが長かった中で、素直で優しく真っすぐに育っていて、父との関係が良好だったのだろうといった背景まで、演技から滲み出ていた。「役になりきっていた」とはこういうことだと思った。
木梨憲武の演技は「わざとらしい」「コントみたい」といったネット評も目にしたが、日ごろからそういう話し方をする人はいるだろうと感じたし、違和感はなかった。早すぎる死という運命を受け入れ、周囲への感謝を忘れず、最後までポジティブに生きる姿は見習いたいと思った。
濱田岳、小林聡美、光石研、筒井真理子といったベテラン陣が脇を固め、素晴らしい作品に仕上がっていたと思う。
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