AKB48『久しぶりのリップグロス』。
一聴して懐かしいサウンドに耳を奪われる。『ポニーテールとシュシュ』の頃によくあった曲調だ。
今年発売されたHKT48『ビーサンはなぜなくなるのか』は、まさに『ポニーテールとシュシュ』をリメイクしたような楽曲だったが、この曲も相当だ。オールドファンには嬉しい。
歌詞の内容は、『11月のアンクレット』に似ている。夏用のテラス席を片付けた海沿いのカフェに、久しぶりに話があると元カノに呼び出される話だ。彼の方は未練たらたらだが、どうも彼女には新しい彼がいて幸せそうという状況は全く同じ。今作では、彼女は結婚までしそうな感じだ。その部分はSDN48『負け惜しみコングラチュレーション』にも通じる。更にもっと遡れば、名曲『Seventeen』で、結婚して実家のコンビニを手伝っている元カノ(とも言えない片思いの彼女?)を遠くから見て満足する男の姿から全く変わっていない。
未練はあるが、幸せそうな彼女を見たら、今更やり直そうなんて言えない。リップグロスで輝いている唇は近くて遠い。もう一度キスしたいが、できるはずがない。切なくはあるが、美しい恋の思い出を大事にして生きていけるのは幸福とも言える。
今一つよく分からないのは、彼女の気持ちだ。わざわざ元カレを呼び出しておいて、特に何も話さないのはどういうつもりなのだろう。話さずとも察してくれということか、それとも彼女にもほんの少し未練のようなものがあって、彼の出方を探っていたのか。キラキラ光るリップグロスなど塗って、誘惑してみたい悪戯っぽい気持ちもゼロではなかったのかもしれない。でも、それに気がつかない、もしくは気づかないふりをするのが男というものだ。
かつての楽曲に出てきたキーワードも、オールドファンにはたまらない。
「遊泳禁止」は、過ぎ去った夏=過ぎ去った恋を象徴していて、『夏が行っちゃった』『僕はいない』にも使われていた。夏の終わりに恋も終わる歌は沢山作られていて、共通するアイテムも多く出て来るので、発見するのが楽しい。
サウンド面では、Aメロとその繰り返しの間の「ズンズンズンズン」という煽りがベタで懐かしい。AメロとBメロの間の電子ピアノのフレーズはNGT48『シャーベットピンク』でも聴いたような感覚。
2番はAメロの繰り返しをしない構成も、よく使われる手法だがスピード感がある。
『久しぶりのリップグロス』の新機軸は「あの頃のマスクを外して」というフレーズだろう。この唐突な歌詞の解釈には少し頭を使う。
かつて付き合っていた時、彼女はリップグロスを塗っていて、それが魅力的で、そして何度もキスもした。その時は、マスクはしていなかったはずだ。では「あの頃」とは?二人の間に隙間風が吹いて、彼女が少しよそよそしくなった時期があって、それを彼女がマスクをしていたと表現しているのだろ。時間が経って、いつかわだかまりも消えて、再び彼女がマスクを外して現れたと解釈した。
当然だが、マスクをしたままだとリップグロスの輝きは見えない。現実社会では、コロナ禍でマスク生活に慣れ、人前でマスクを外すのが恥ずかしいという人まで現れているようだ。しかし、やはり顔を見せ合ったコミュニケーションの豊かさ、ときめきは大事だということを伝えようとしていると深読みした。
カップリング曲は、感想を書けるほどまだ聴き込めていない。
一聴して懐かしいサウンドに耳を奪われる。『ポニーテールとシュシュ』の頃によくあった曲調だ。
今年発売されたHKT48『ビーサンはなぜなくなるのか』は、まさに『ポニーテールとシュシュ』をリメイクしたような楽曲だったが、この曲も相当だ。オールドファンには嬉しい。
歌詞の内容は、『11月のアンクレット』に似ている。夏用のテラス席を片付けた海沿いのカフェに、久しぶりに話があると元カノに呼び出される話だ。彼の方は未練たらたらだが、どうも彼女には新しい彼がいて幸せそうという状況は全く同じ。今作では、彼女は結婚までしそうな感じだ。その部分はSDN48『負け惜しみコングラチュレーション』にも通じる。更にもっと遡れば、名曲『Seventeen』で、結婚して実家のコンビニを手伝っている元カノ(とも言えない片思いの彼女?)を遠くから見て満足する男の姿から全く変わっていない。
未練はあるが、幸せそうな彼女を見たら、今更やり直そうなんて言えない。リップグロスで輝いている唇は近くて遠い。もう一度キスしたいが、できるはずがない。切なくはあるが、美しい恋の思い出を大事にして生きていけるのは幸福とも言える。
今一つよく分からないのは、彼女の気持ちだ。わざわざ元カレを呼び出しておいて、特に何も話さないのはどういうつもりなのだろう。話さずとも察してくれということか、それとも彼女にもほんの少し未練のようなものがあって、彼の出方を探っていたのか。キラキラ光るリップグロスなど塗って、誘惑してみたい悪戯っぽい気持ちもゼロではなかったのかもしれない。でも、それに気がつかない、もしくは気づかないふりをするのが男というものだ。
かつての楽曲に出てきたキーワードも、オールドファンにはたまらない。
「遊泳禁止」は、過ぎ去った夏=過ぎ去った恋を象徴していて、『夏が行っちゃった』『僕はいない』にも使われていた。夏の終わりに恋も終わる歌は沢山作られていて、共通するアイテムも多く出て来るので、発見するのが楽しい。
サウンド面では、Aメロとその繰り返しの間の「ズンズンズンズン」という煽りがベタで懐かしい。AメロとBメロの間の電子ピアノのフレーズはNGT48『シャーベットピンク』でも聴いたような感覚。
2番はAメロの繰り返しをしない構成も、よく使われる手法だがスピード感がある。
『久しぶりのリップグロス』の新機軸は「あの頃のマスクを外して」というフレーズだろう。この唐突な歌詞の解釈には少し頭を使う。
かつて付き合っていた時、彼女はリップグロスを塗っていて、それが魅力的で、そして何度もキスもした。その時は、マスクはしていなかったはずだ。では「あの頃」とは?二人の間に隙間風が吹いて、彼女が少しよそよそしくなった時期があって、それを彼女がマスクをしていたと表現しているのだろ。時間が経って、いつかわだかまりも消えて、再び彼女がマスクを外して現れたと解釈した。
当然だが、マスクをしたままだとリップグロスの輝きは見えない。現実社会では、コロナ禍でマスク生活に慣れ、人前でマスクを外すのが恥ずかしいという人まで現れているようだ。しかし、やはり顔を見せ合ったコミュニケーションの豊かさ、ときめきは大事だということを伝えようとしていると深読みした。
カップリング曲は、感想を書けるほどまだ聴き込めていない。