
さて、さて楽しみにしていた「キャンデード」の幕が開け、本日友人3人と観劇。
このところ、帝劇の席に恵まれています。
今日はJ列のセンター寄り。
今回はオーケストラがなんと、舞台上なので、ステージが近く感じられました。
フランスの思想家ヴォルテールの原作を元に作られ、思想的哲学的な内容なので、
難しいという印象の演目だけに、どうだろうかと心配しましたが、
今回の演出家ジョン・ケアードが台本を改定し、
とてもわかりやすい舞台になっていて、ほっ!
誘った友人たちにも好評で良かったです。
舞台上は至ってシンプルで、
箱がたったのひとつ。
そして、オープニングで床から天井へと天環?があがり、
それに呼応して床にもわっか。
たった、これだけのシンプルな舞台なだけに、
役者さんの演技の力量が試され、
その演技力によって観客はイマジネーションを働かせて舞台を楽しむことになります。
なにしろ、壮大なストーリー。
キャンデードが旅をしながら成長していく様を物語にしているわけで、
あちこちでいろんな事件が起きます。
それを、たった一つの箱とその中からでてくる布などの簡単なもので表現しているわけですから。
場面の切り替えもスムーズでテンポよく。
そして、アンサンブルの人たちとのバランスが、
1枚の絵画を見ているような感覚になったり。
ウィーンミュージカルのようなドラマっぽいミュージカルとも違い、とても斬新な舞台でした。
そして、この舞台が成功しているのは、キャストの実力。
市村正親は今や押しも押されぬ実力者。
コミカルで、歌もお芝居もうまく、観客をひきつけます。
ほぼ出ずっぱりで、膨大なセリフにはあっぱれ。
動きがバレーダンサーのようにきれいだなと思っていたら、
先日の「徹子の部屋」で、若い頃やっていたバレーをまた始めたとか。
恐るべし、60歳です。
そして、新妻聖子ちゃん。
まぁ、なんてきれいな安定した高音を出すのでしょー!
オペラっぽい曲を本当に美しく歌い上げています。
この役できっと何か賞を取るのでは?
ホント、すばらしいです。
そして、井上芳雄君!
力の抜けたいい感じでタイトルコールの「キャンデード」を演じています。
走ったり、泳いだり、ハードな動きの多い役です。
純真な青年から何かを学び取って成長していく様を演じています。
うっとりする歌声にはメロメロですが、
歌い上げる感じの曲が少なく、物足りなさを感じたのは、
回りの人たちもホント上手い人たちばかりなので、井上君の上手さが際立たなかったからなのかも。
阿知波悟美、坂元健児、村井国夫、安崎求、駒田一などなど、本当にすばらしいキャスト陣です。
市村さん以外は、皆さん、ちゃんとオーデションを受けられたようです。(井上君もね)
ジョン・ケアードのお眼鏡にかなった人たちのわけだ。
見る価値、大いにあり!今月27日までです。